ロシアが本気になれば1000発以上の核弾頭が降ってくる...米国版「アイアンドーム構想」の実像とは
DONALD TRUMP’S IRON DOME?
ロシアが本気でアメリカに攻撃を仕掛けてきたら、アメリカ本土、とりわけ戦略核兵器の所在地に向けて1000発以上の核弾頭が降ってくるだろう。
そうなると、1発ずつ迎撃しつつ反撃用ミサイルの被弾を防ぐという寄せ集め的なアプローチでは間に合わないとスーファーは言う。
だから国防総省は「敵の開発能力を上回るために宇宙センサーやSBI(宇宙ベースの迎撃ミサイル)、指向性エネルギー兵器など物理的破壊を伴わない選択肢、将来の革新的な能力を開発するための投資にもっと重点を置くべきだ」と、報告書にはある。
ただし懐疑的な意見もある。「いったん宇宙空間にシステムを配備し始めたら、もう止まれない」とアルバークは言う。
「ロシアや中国が追随するのは必至だ」
言うまでもなく、ロシアも中国もミサイル迎撃システムの強化に励んでいる。
スーファーの報告書によれば、そうした迎撃システムは「ロシアと中国に非対称的な優位性をもたらす可能性がある。ロシアと中国の国土防空・ミサイル防衛の拡大は特定の状況における軍事バランスに影響を与え、アメリカの数少ない選択肢を混乱させかねない」。
ロシアと中国は早期警戒衛星の開発で協力し、ロシアの防空における優位性と中国の宇宙探査における経験知を融合させている。今は宇宙軍拡競争の真っただ中だ、とアルバークは警告する。
「スタート地点だと思うのは間違いだ」