ロシアが本気になれば1000発以上の核弾頭が降ってくる...米国版「アイアンドーム構想」の実像とは
DONALD TRUMP’S IRON DOME?
韓国はさらに、迎撃のためのミサイル防衛システムと、精密攻撃や特殊部隊を使って北朝鮮の高官や司令部機能を無効化する大規模反撃報復(KMPR)計画を組み合わせている。アルバークに言わせれば、この両者は韓国の剣であり盾だ。
アメリカの政策は「ミサイル発射を未然に防ぐための攻撃手段と重層的ミサイル防衛戦略を組み合わせることで、北朝鮮の長距離ミサイルの脅威に先手を打つ」ことであるべきだとスーファーは書いている。
もう1つの選択肢は、宇宙空間で迎撃ミサイルを発射することだ。これは米国版アイアンドームにとって欠かせないもので、もはや宇宙の「兵器化」は必要不可欠だとスーファーは主張する。
新大統領も同じ考えのようだ。トランプはアリゾナの集会で、「昔のロナルド・レーガンもそれをやりたかったが、当時はまだ技術がなかった」と言った。「しかし今なら、空から針1本でもたたき落とせる」
1980年代に東西冷戦を終結に導いたレーガン大統領は、一方で戦略防衛構想(SDI)を推進した。俗に「スター・ウォーズ」と呼ばれたこの構想には、宇宙空間でソ連(当時)の発射したICBMを迎撃するプランが含まれていた。
宇宙ベースの防衛は不可欠
SM3やGBIのようなシステムは、能力が限定された北朝鮮のICBMの撃墜には十分だろう、とスーファーは言う。だがロシアや中国のICBMの脅威に対処するには、宇宙ベースの迎撃ミサイルが唯一の方法だという。