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荒川河畔の原住民⑬

ホームレスは助け合うのか、それとも冷淡で孤独なのか...不思議な「兄弟分」の物語

2024年11月27日(水)18時45分
文・写真:趙海成

ただの隣人ではなく、兄弟のように仲がいい

私が再び現れたことで、桂さんの顔には驚きと喜びの表情が浮かんだように見えた。私たちはしばらく話しただけで、まるで昔から知っている友達のようになった。もしかしたら前世からの因縁だったのかもしれない。

「いつか食事と飲みに誘わせていただけますか」と尋ねると、桂さんは言った。

「お酒はとっくの昔にやめているが、隣の友人がお酒が好きなので、彼を呼んでもいいですか」

「もちろん」と私は答えた。その友人が斉藤さんだった。

彼ら2人はただの隣人ではなく、兄弟のように仲がいいのだとすぐに分かった。さもなければ、桂さんはこのような提案をしなかっただろう。

また、その年の冬が始まる前のある日、買っておいた冬用の肌着を2着持って荒川の河川敷を訪ねたときには、こんなこともあった。

最初に桂さんに会い、その肌着を手渡す。すると、すぐには受け取ってもらえず、「斉藤さんの分はありますか」と聞かれた。

「はい、1人1個ずつ」と答えると、桂さんは言った。

「それはよかった。彼もきっと喜ぶでしょう」

その時、斉藤さんは家にいなかったので、肌着は桂さんに託し、後で渡してもらうことにした。

喜びを共有するほか、彼らは風雨を、そして危険を共にする。

8月のある日、私が息子を連れて荒川へ景色を撮りに行ったときのことだ。桂さんと斉藤さんの家の近くに行き、何をしているのか覗いてみたいと思った。

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