最新記事
南シナ海

南シナ海の中国の暴挙はアメリカが止めよ

AMERICA MUST STAND UP

2024年11月19日(火)12時10分
ブラマ・チェラニ(インド政策研究センター教授)
フィリピンの補給船(右)を放水銃で追い払おうとする中国海警局の船

フィリピンの補給船(右)を放水銃で追い払おうとする中国海警局の船(5月4日、南シナ海)  REUTERS

戦略的に重要な南シナ海での影響力を高めるために中国が10年以上にわたって仕掛けているハイブリッド戦は、ますます攻撃性を増している。トランプ次期政権にとって、こうした中国の姿勢に対峙することが課題の1つであることは明白だ。

習近平(シー・チンピン)国家主席が掲げる「中国の夢」は、南シナ海での支配を確立し、世界経済のハブとなりつつあるインド太平洋地域でのアメリカの優位性を終わらせることに懸かっている。中国は目的達成のために威圧的な戦術を取ることを躊躇していない。


ここ数年、南シナ海で中国と領有権を争うフィリピンやベトナムなどの船は、中国の船による衝突や放水砲、果ては刃物による襲撃などに見舞われた。天然資源の採掘を行う船も嫌がらせを受けている。

フィリピンと相互防衛条約を結ぶアメリカが中国を抑制すべく行動を起こすとみる向きもあるかもしれない。しかし最近3代の大統領たち──オバマ、トランプ、バイデン──は、形ばかりのアクションを起こすだけだった。2012年に中国がフィリピンからスカボロー礁を奪って実効支配した時も、オバマが中国をいさめることはなかった。

自動車
DEFENDERの日本縦断旅がついに最終章! 本土最南端へ──歴史と絶景が織りなす5日間
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米ロ、サウジ会合の結果を分析中 「協議内容公表せず

ワールド

豪政府が予算案発表、新たな減税盛り込む 財政収支は

ワールド

独IFO指数、3月は86.7に上昇 景気回復期待高

ビジネス

米個人消費が鈍化、物価高や経済見通し悪化で
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取締役会はマスクCEOを辞めさせろ」
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 6
    「トランプが変えた世界」を30年前に描いていた...あ…
  • 7
    コレステロールが老化を遅らせていた...スーパーエイ…
  • 8
    トランプ批判で入国拒否も?...米空港で広がる「スマ…
  • 9
    【クイズ】アメリカで「ネズミが大量発生している」…
  • 10
    トランプの脅しに屈した「香港大富豪」に中国が激怒.…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 5
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 6
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 7
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 8
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 10
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中