「スマホ投稿」が暴露した秘密...台湾防衛が中国に筒抜けとなる理由
No Secrets in an Age of Social Media
ただし、米中とも企業の活動や一般に入手可能な情報を収集分析するOSINTは、国家としての総合的な情報、監視、偵察能力としては最低レベルにすぎない。中国も政府や軍事レベルで、はるかに強力で秘匿性の高いツールを保有していることは確実だ。
例えば、中国の商用リモートセンシング衛星システム・吉林1号は、報道によると昨年には既に138基が軌道上にあり、地球上の任意の地点の最新画像を宇宙から10分おきに撮影できる。軍と国の情報機関は数百基の強力なスパイ衛星群を利用している。
中国は既に台湾のあらゆる場所を常時追跡できる、というのは大げさかもしれない。しかし、今回の微信の投稿が示すとおり、中国の情報関連能力は急速に進化しており、ソーシャルメディア時代に台湾が機密を隠し切れないという現実がそれを助けている。台湾軍はより慎重かつ柔軟な戦術で活動しなければ、戦争の初期段階で、最も重要な防衛資産を中国にたやすく破壊されかねない。
複数の台湾軍関係者は、海鋒大隊には公表されていない「待機」地点が台湾全土にあることや、投稿で暴露されたのは部隊全体のごく一部であることを認めている。しかし、部隊が配備される可能性のある地点が暴露され記録されるたびに、中国による「標的の解析」の精度が高まり、衛星などを使って迅速かつ容易に追跡できるようになる。