最新記事
新興国

拡大BRICSは世界秩序を民主化する原動力になれる

THE BRICS EFFECT

2024年10月28日(月)12時22分
ブラマ・チェラニ(インド政策研究センター教授)
BRICS拡大後初の首脳会議に臨む9カ国首脳(ロシア、10月23日)

BRICS拡大後初の首脳会議に臨む9カ国首脳(ロシア、10月23日) ANI PHOTOーREUTERS

国際関係の新時代が夜明けを迎えようとしている。世界のGDPに欧米諸国が占める割合は低下し、多極化が進行している。新秩序の中で地位を確立しようと、各国はしのぎを削る。

注目されるのは2つの新興経済グループだ。1つは、最近拡大したBRICSに代表される新秩序のルール作りを主導したい国々。もう1つは、国益を守るため他国との関係構築に力を入れる、より小さな国々だ。


もともとBRICSは金融界での投資対象としてのグループ名だったが、今では国際秩序の多極化を求める動きの象徴になった。欧米主導の世界の在り方に対抗し得るものであり、地政学的に不確実性が高まる状況で重要な存在になっている。

BRICSは今年、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの原加盟5カ国に加えて、エジプト、エチオピア、イラン、アラブ首長国連邦(UAE)が加入して9カ国に拡大した。さらにはNATO加盟国のトルコ、親米国のタイやメキシコ、世界最大のイスラム国のインドネシアなど、30カ国以上が加盟の意向を表明している。

この「BRICSプラス」の加盟国と候補国の多様性は実に魅力的だが、その一方で問題にもなり得る。政治や経済の体制や国家の目標が大きく異なる国々だからだ。中国とインドのように、一部地域で軍事的な対立関係を抱える国もある。

カルチャー
手塚治虫「火の鳥」展 鑑賞チケット5組10名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米経済に「スタグフレーション」リスク=セントルイス

ビジネス

金、今年10度目の最高値更新 貿易戦争への懸念で安

ビジネス

アトランタ連銀総裁、年内0.5%利下げ予想 広範な

ビジネス

トランプ関税、「コロナ禍規模の衝撃」なら物価懸念=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 5
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 6
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 7
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 8
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 9
    トランプ政権の外圧で「欧州経済は回復」、日本経済…
  • 10
    ロシアは既に窮地にある...西側がなぜか「見て見ぬふ…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 5
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 6
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    週に75分の「早歩き」で寿命は2年延びる...スーパー…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中