ライバル選手のチェス盤に水銀...ロシアのチェスプレイヤーが「毒を塗り付ける」決定的瞬間 犯行動機は?
Chess Player Caught on Camera Attempting to Poison Rival With Mercury
(写真はイメージです) Lysenko Andrii-Shutterstock
<無人の試合会場に現れた容疑者の姿を監視カメラが記録。ライバル選手のチェス盤に毒を塗り、周囲を見回しながら慎重に退室する一部始終をとらえた映像が話題になっている>
チェスプレイヤーが水銀を使ってライバル選手に毒を盛ろうとしたとされる瞬間が、監視カメラによって記録された。その動画がネット上で拡散されている。
【監視カメラ映像】無人の試合会場に現れ、ライバル選手のチェス盤に手際よく「水銀」を塗り付ける決定的瞬間
ロシアチェス連盟は、ロシア・ダゲスタン共和国マハチカラ出身の40歳のプロチェスプレイヤー、アミナ・アバカロワ(Amina Abakarova)に資格停止処分を科した。アバカロワは、30歳のライバル選手ウマイガナット・オスマノワ(Umayganat Osmanova)に毒を盛ろうとしたとして拘束されており、有罪になれば最長3年の刑が科せられる、と「メトロ」は報じている。
各種メディアでシェアされている動画は、アバカロワがオスマノワのチェス盤に体温計から水銀をたらし、チェスの駒で塗り付けている様子が映っているとされるものだ。X(旧ツイッター)にこの動画をアップしたイゴール・スシュコというユーザーはこの出来事の後、「プーチンはすぐさまアバカロワに恋をした」と書いている──ただし、明るみになったこの事件に、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が関与していることを示すものは一切ない。
Xに掲載されたこの動画の視聴回数は、本稿執筆時点で120万回に上っている。
「酸欠のよう」「口の中に鉄の味」
この不鮮明な動画には、部屋を横切り、チェス盤が載った机の一つに近づくアバカロワが映っている。チェスの駒の一つを刷毛のように使って、なんらかの物質をチェス盤に広げているように見える。それが終わるとアバカロワは部屋を見回してから歩き去った。
ロシア南部で開催されたダゲスタンチェス選手権で、オスマノワは予定通りプレイしたが、結局「ひどいめまいと吐き気」による体調不良に陥った、とメトロは伝えている。
大会の審判がこの件を当局に報告したことを受け、監視カメラの映像を警察が検証した。
チェス・ドットコムが「ロシア・トゥデイ」のインタビューを引用して伝えているところによれば、オスマノワは「ものすごくひどい気分で、ぐったりする」のを感じ、毒を盛られたと悟ったという。
オスマノワはロシア・トゥデイに次のように語った、とチェス・ドットコムは伝えている。「今でも気分が悪い。最初の数分で酸欠のような感じになり、口の中に鉄の味がした。このチェス盤で5時間くらい過ごすはずだった。早く気づいていなかったら、どうなっていたか分からない」