2100年までに中国の人口が5億2500万人に...「少子化対策の限界」
(写真はイメージです) Minnie Zhou-Unsplash
現在14億人を超える中国の人口は、今世紀末までに6割も減少するかもしれない。
シンクタンクの上海社会科学院は今年、世界第2位の中国の人口は、2100年までに5億2500万人に減少すると予測した。昨年の予測より6200万人も少ない。中国社会の専門家は、「加速する人口減少が消費の縮小や賃金、政府支出の上昇を招き、中国経済、ひいては世界経済を弱体化させる」とみている。
しかし人口減少は、もっと差し迫った危機を招くかもしれない。人口動態の専門家は、中国の65歳以上の人口比率が20年の14%から50年には35%に急上昇するとみている。そうなれば年金危機は人道的な大惨事に発展するという。
このため少子化対策として、中央政府と地方政府は最近、子供をたくさん持つよう奨励している。多子家庭に補助金を出し、長らく続いた「一人っ子政策」をやめ、夫婦が2人目、3人目の子供を持つこともできるようになった。
しかしこうした対策では、これまでのところ限定的な効果しか出ていない。都市部の若年層の多くは子供を持つことに消極的で、経済の停滞や大都市での生活コストの高騰などがこうした傾向に拍車をかけている。
2024年12月10日号(12月3日発売)は「サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦」特集。地域から地球を救う11のチャレンジとJO1のメンバーが語る「環境のためにできること」
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら