韓国で「人口問題の専門官庁」が新設、超少子化や人材、移民など人口政策全般を統括
韓国の少子化は国家の非常事態 HAN JAE-HOーREUTERS
<出生率で世界最低水準の0.72を記録した韓国では超少子化を「国家非常事態」として、この問題に特化した官庁を創設する>
低出生率に悩む東アジア諸国の中でも、とりわけ事態が深刻な韓国。子育て支援から不妊治療までさまざまな対策に巨額の公的資金を投入してきたが、合計特殊出生率は8年連続で下落を続け、2023年には世界最低水準の0.72を記録した。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は5月、超少子化を「国家非常事態」と呼び、この問題に特化した官庁を創設する方針を打ち出した。
7月1日には、李祥敏(イ・サンミン)行政安全部長官が「人口戦略企画部」の新設を発表。少子化に加えて高齢化社会や人材、移民など人口政策全般を統括する副首相級の組織で、「戦略、企画、予算調整をつかさどる強力な司令塔」になるという。
急激に少子化が進む背景には、生活費と住居費の高騰や社会規範の変化が挙げられる。ソウルの住宅価格は平均世帯年収の15倍以上。若い世代は趣味などを楽しむライフスタイルと子供をてんびんにかけているとの指摘もある。
新組織の立ち上げは形勢逆転の切り札となるだろうか。
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