米民主党で「バイデン離れ」表面化、身内から撤退要請も
11月の米大統領選に向けた先週のテレビ討論会で精彩を欠き、高齢不安が高まったバイデン大統領(81)が再選を目指すべきかどうか、民主党内で疑問視する声が広がっている。7月2日、ワシントンで撮影(2024年 ロイター/Elizabeth Frantz )
11月の米大統領選に向けた先週のテレビ討論会で精彩を欠き、高齢不安が高まったバイデン大統領(81)が再選を目指すべきかどうか、民主党内で疑問視する声が広がっている。
民主党のドゲット下院議員(テキサス州選出)は2日、民主党議員として初めてバイデン氏に大統領選からの撤退を要請した。
関係者によれば、バイデン氏に撤退を求める準備をしている民主党下院議員は25人に上るという。一部の献金者も撤退を求めている。
討論会後に行われたロイター/イプソス調査では、民主党支持者の3人に1人がバイデン氏は再選を目指すべきではないと考えていることが分かった。
民主党のナンシー・ペロシ元下院議長はMSNBCのインタビューで、バイデン氏の実績を強調した上で、討論会での様子について一時的な不調なのか、広範な健康問題なのかを問うのは正当だとし、トランプ氏も同様に精査されるべきだと述べた。
ホワイトハウスはバイデン氏が討論会の夜に風邪をひいていたと説明している。
民主党穏健派のマイク・クイグリー下院議員(イリノイ州選出)は2日、CNNのインタビューで「バイデン氏は正直になる必要がある。(再選を目指すかどうかは)彼の判断だ。自らの大統領選だけでなく、同時に行われる他の全ての選挙にどれほどの影響を与えるか、現時点で理解してもらいたい」と語った。
ジム・クライバーン下院議員はMSNBCに対し、バイデン氏が選挙戦から撤退した場合にはカマラ・ハリス副大統領を民主党候補として支持すると語った。
また、同党のジャレッド・ゴールデン下院議員(メーン州選出)は2日付の現地紙の論説記事で、トランプ氏が大統領選に勝利すると予測した。
一方、バイデン陣営は支持率アップに奔走している。6月30日と7月1日に主要献金者と電話会合を行い、パニックの沈静化に努めた。ホワイトハウスによると、バイデン氏は3日に民主党の州知事と会談し、週内に議員と話し合う。党重鎮の支持を固め、撤退論を封じ込めようとしているとの見方もある。
ホワイトハウスの報道官は、バイデン氏がアルツハイマー病にかかっているかとの質問に「かかっていない」と答えた。
バイデン氏は今後ABCのインタビューを受け、来週には北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で記者会見を行う予定だ。民主党の議会側近は、バイデン氏がこのインタビューで事前準備のない矢継ぎ早の質問に臨機応変に対応できるかを議員らは見極めようとしていると語った。
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