最新記事
米大統領選挙

米民主党で「バイデン離れ」表面化、身内から撤退要請も

2024年7月3日(水)11時01分
バイデン大統領

11月の米大統領選に向けた先週のテレビ討論会で精彩を欠き、高齢不安が高まったバイデン大統領(81)が再選を目指すべきかどうか、民主党内で疑問視する声が広がっている。7月2日、ワシントンで撮影(2024年 ロイター/Elizabeth Frantz )

11月の米大統領選に向けた先週のテレビ討論会で精彩を欠き、高齢不安が高まったバイデン大統領(81)が再選を目指すべきかどうか、民主党内で疑問視する声が広がっている。

民主党のドゲット下院議員(テキサス州選出)は2日、民主党議員として初めてバイデン氏に大統領選からの撤退を要請した。

関係者によれば、バイデン氏に撤退を求める準備をしている民主党下院議員は25人に上るという。一部の献金者も撤退を求めている。

討論会後に行われたロイター/イプソス調査では、民主党支持者の3人に1人がバイデン氏は再選を目指すべきではないと考えていることが分かった。

民主党のナンシー・ペロシ元下院議長はMSNBCのインタビューで、バイデン氏の実績を強調した上で、討論会での様子について一時的な不調なのか、広範な健康問題なのかを問うのは正当だとし、トランプ氏も同様に精査されるべきだと述べた。

ホワイトハウスはバイデン氏が討論会の夜に風邪をひいていたと説明している。

民主党穏健派のマイク・クイグリー下院議員(イリノイ州選出)は2日、CNNのインタビューで「バイデン氏は正直になる必要がある。(再選を目指すかどうかは)彼の判断だ。自らの大統領選だけでなく、同時に行われる他の全ての選挙にどれほどの影響を与えるか、現時点で理解してもらいたい」と語った。

ジム・クライバーン下院議員はMSNBCに対し、バイデン氏が選挙戦から撤退した場合にはカマラ・ハリス副大統領を民主党候補として支持すると語った。

また、同党のジャレッド・ゴールデン下院議員(メーン州選出)は2日付の現地紙の論説記事で、トランプ氏が大統領選に勝利すると予測した。

一方、バイデン陣営は支持率アップに奔走している。6月30日と7月1日に主要献金者と電話会合を行い、パニックの沈静化に努めた。ホワイトハウスによると、バイデン氏は3日に民主党の州知事と会談し、週内に議員と話し合う。党重鎮の支持を固め、撤退論を封じ込めようとしているとの見方もある。

ホワイトハウスの報道官は、バイデン氏がアルツハイマー病にかかっているかとの質問に「かかっていない」と答えた。

バイデン氏は今後ABCのインタビューを受け、来週には北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で記者会見を行う予定だ。民主党の議会側近は、バイデン氏がこのインタビューで事前準備のない矢継ぎ早の質問に臨機応変に対応できるかを議員らは見極めようとしていると語った。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20250121issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年1月21日号(1月15日発売)は「トランプ新政権ガイド」特集。1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響を読む


※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲うウクライナの猛攻シーン 「ATACMSを使用」と情報筋
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさ…
  • 9
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    大麻は脳にどのような影響を及ぼすのか...? 高濃度の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中