最新記事
中国

「中国のナショナリストがここまで成長」...続く無差別襲撃事件の背景にある「不都合な真実」とは

2024年7月1日(月)13時16分
ヤチウ・ワン(米人権擁護団体フリーダム・ハウス中国・香港・台湾研究責任者)
新浪微博(シンランウェイボー)

Sergei Elagin-shutterstock

<「世界で最も安全な国の1つ」と中国外務省報道官は語るが...。事件の詳細や背景は報じられないが、反日・反米プロパガンダの影響という見方が強い>

「中国は世界で最も安全な国の1つとして知られている」。6月24日に江蘇省蘇州で起きた日本人学校スクールバス襲撃事件の翌日、中国外務省報道官は記者会見でそう語った。同月10日、吉林省でアメリカ人教員4人の刺傷事件が発生したときと同じく......。

連続する事件からは不安な事実が露呈する。中国政府の安定維持能力は主張するほどではないのかもしれない。一方、外国人の被害が国際的に注目されるなか、覆い隠されている事実もある。中国の無差別襲撃事件の大半で犠牲になっているのは自国民だ。


そうした事件はこの約1カ月間に少なくとも数件起きている。江西省では5月20日、小学校が襲撃された事件で2人が死亡し、10人が負傷した。

事件の詳細や背景は報じられないが、江蘇省と吉林省の事件については反日・反米プロパガンダの影響という見方が強い。「当局が育んできたナショナリストがここまで成長した」。新浪微博(シンランウェイボー)には、そんなコメントが投稿された。

From thediplomat.com

20250408issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月8日号(4月1日発売)は「引きこもるアメリカ」特集。トランプ外交で見捨てられた欧州。プーチンの全面攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

欧州株STOXX600の予想引き下げ、米関税で=ゴ

ビジネス

再送-インタビュー:トランプ関税で荷動きに懸念、荷

ワールド

ミャンマー地震の死者2719人と軍政トップ、「30

ビジネス

独製造業PMI、3月改定48.3に上昇 約2年ぶり
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 6
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中