最新記事
韓国

韓国・釜山、祖国防衛の英霊を弔う「顕忠日」にまさかの旭日旗掲げた住人へ批判殺到

2024年6月6日(木)20時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
釜山の高層マンションに掲げられた旭日旗

韓国にとっては重要な顕忠日の日に堂々と旭日旗を掲げるという「暴挙」が行われた YTN / YouTube

<日本からの独立に命をかけた独立運動家や朝鮮戦争の戦没者のための記念日にあろうことか旭日旗を掲げた者がいた>

6月6日は何の日? 1982年のこの日、イスラエルがパレスチナゲリラの活動拠点とみなしたレバノンに侵攻し、レバノン戦争が勃発。あるいは、6月5日の世界環境デーの翌日であることにちなんだ「飲み水の日」。そして、韓国では国防のために命を捧げた人の忠誠をたたえる重要な祝日「顕忠日」の日だ。

朝鮮戦争で40万人に及ぶ戦没者が出た韓国は、休戦協定が結ばれた後の1956年4月に戦乱で犠牲になった者を追慕する日「顕忠日」を制定。その後1965年3月に大統領令で国軍墓地が国立墓地に昇格されてからは、日本からの独立運動で亡くなった殉国烈士も追慕することになっている。そんな愛国心が高まる日に、あろうことか、ある高層マンションの住人が窓に旭日旗を掲げるという暴挙に出た。KBS、YTN、国民日報など韓国メディアが報じた。

腹が立って悲しい!

6月6日、韓国・釜山市水営(スヨン)区のとある高層マンションに旭日旗がかかっているようすが撮られた写真がネットの掲示板に投稿され、たちまちSNSなどで拡散され議論になった。

マンションの管理事務所の担当者は「この住人は数カ月前から日本の国旗である『日の丸』をときどき掲げていたが、顕忠日の今朝は『旭日旗』に変わった」と話した。

この部屋の住人は韓国人だという。管理事務所側の確認では今日は留守にしており、問題の旭日旗はずっと出しっぱなしにされていることが確認された。管理事務所には同じマンションの住人や一般市民からの苦情が相次いだ。しかし留守にしていることや撤去を強制する方法がなく、頭を悩ませているという。

「区庁に苦情も入れ、警察にも行ったりするなど管理事務所側でできる措置は全てやってみたが、この住人の行為を止める方法がなくて......」

ネットユーザーたちは「制裁する法案を作らなければならない」「顕忠日にこのような姿を見るとはとても腹が立って悲しい」等のコメントを投稿している。

旭日旗にうるさい専門家は?

こうして騒ぎが大きくなった旭日旗の問題について専門家はどう見ているのか? 日の光が放射状に伸びるデザインがあると旭日旗と結びつけ、「第二次世界大戦中の日本の戦争犯罪を肯定することになる!」とデザイン変更を求める活動を行っている誠信女子大学のソ·ギョンドク教授は今回の事件についてSNSに投稿。「これは明らかに一線を越えた」として「今回のことを契機に強力な『処罰法』を作り、再びこのようなことが発生しないようにしなければならない」と強調している。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲うウクライナの猛攻シーン 「ATACMSを使用」と情報筋
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさ…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 8
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中