ラファ検問所経由の支援物資がガザへ初めて到着 イスラエルは攻撃強化を警告
パレスチナ自治区ガザ南部に21日、エジプトとの境界のラファ検問所から搬入された人道支援物資が到着した。支援物資の到着はイスラエルによる「完全包囲」開始後初めて。写真は支援物資を積んだトラック。ガザ地区南部ラファで撮影(2023年 ロイター/Ibraheem Abu Mustafa)
パレスチナ自治区ガザ南部に21日、エジプトとの境界のラファ検問所から搬入された人道支援物資が到着した。支援物資の到着はイスラエルによる「完全包囲」開始後初めて。一方、イスラエル軍はガザ地区北部を空爆し、攻撃を強化すると警告した。
バイデン米大統領は物資到着を歓迎し、支援が継続的に届くよう引き続き全当事者と協力すると表明した。
今回到着した支援物資は食料、水、医薬品などで、イスラム組織ハマスが実効支配するガザの当局は燃料が含まれなかったことに失望を示した。また、紛争前に受け取っていた支援物資の3%に過ぎないとした。
イスラエル軍は21日もガザへの空爆を続けた。同軍のハガリ報道官は、ガザ地区北部への攻撃を強めると警告し、住民に南に避難するよう呼びかけた。
ガザの保健省によると、イスラエルの空爆などでこれまでに子ども数百人を含む少なくとも4385人のパレスチナ人が死亡、100万人以上が住む場所を失った。
イスラエルは地上侵攻に備え、ガザとの境界付近に戦車など部隊を集結させている。
イスラエル軍の動画によると、ハレビ参謀総長は兵士らに「われわれはハマスの戦闘員とインフラを破壊するためガザ地区に入る」と語った。
軍は実弾射撃訓練の映像も公表。「戦争の次の段階に備える」ためとした。
イスラエル軍はハマスがビルの内部に設置している司令部や戦闘拠点など多数の標的を戦闘機で攻撃したと明らかにした。
ガザの保健省やハマス系メディアは、イスラエル機が複数の住宅を攻撃し、少なくとも50人が死亡したとしている。
ハマスはこれを受け、21日にイスラエルの最大都市テルアビブに向けてロケット弾を発射したと明らかにした。