今さら「従属理論」を持ち出すインドネシアの野心とは?...「グローバルノース」への対抗策「輸出制限」がとても危険な理由
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2023年10月10日(火)09時25分
ジョコは天然資源の輸出に依存する時代遅れのモデルを拒絶し、より付加価値の高い加工品の輸出に移行したいと述べ、先進諸国との公正で互恵的な協力関係が重要だと強調した。これもまた従属理論で言う「不等価交換」論の受け売りである。
従属理論の説き明かした構造的不均衡を解消すべく、ジョコはG7諸国に「発展のパートナー」となってくれるよう呼びかけ、インドネシアの川下産業に対する投資を増やすよう求めている。
だがインドネシアが既存の国際的サプライチェーンを混乱させる禁輸政策に固執するようなら、「北」の先進諸国は投資に慎重にならざるを得ず、結果として工業化は進まない。
今さら従属理論を持ち出すのは考えものだ。
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