中学生の段階で約1割の生徒が性交を経験している
経験済み率が2割を超えるのは、キスが15歳、性交が18歳 DavideAngelini/SHUTTERSTOCK
<学習指導要領では、中学校の保健で「妊娠の経過」は取り扱わない、と規定しているが......>
日本性教育協会は、おおよそ6年間隔で青少年の性行動について調査している。最新の調査は2017年に実施されたもので,翌年8月に報告書が出ている。
注目されるのは、性行動の経験率だ。2017年調査によると、大学生男子の4つの性行動の経験率は以下のようになっている。これまでに、当該の行為をしたことがあると答えた人のパーセンテージだ。
▼告白......67.7%
▼デート......71.8%
▼キス......59.1%
▼性交......47.0%
「こんなものだろう」という印象を持つ人が多いのではないか。報告書の時系列グラフを見ると、どの行為の経験率も2005年をピークに低下傾向で、これをもって若者の「草食化」と言われたりする。
では,当該の行為を初めて経験したのはいつか。各行為の初経験の年齢分布を示すと<表1>のようになる。
赤字は最頻値(mode)だ。好きな人への告白は14歳、デートとキスは15歳、性交は18歳となっている。思春期の只中の14歳で告白して、翌年にデートとキス、自由な空間が持てるようになる大学1年時に初体験、というパターンが多いようだ。
これは経験者のデータで、未経験の人は蚊帳の外に置かれている。「●歳の時点において、同世代の●%がキスを経験済み」という情報にも興味が持たれる。多感なティーンは、「自分は周囲に比べて早い(遅い)のか」と内心で思っているものだ。
<表1>のデータを加工することで、それを得ることができる。<表1>の初経験の年齢分布を最初に示した経験率にかけて全数ベースの比率にし、下から累積すればよい。たとえば15歳で初めてデートを経験した人の比率を全数ベースにすると、71.8%のうちの17.3%だから、71.8%×0.173=12.4%となる。