最新記事
性教育

中学生の段階で約1割の生徒が性交を経験している

2023年10月18日(水)10時40分
舞田敏彦(教育社会学者)

初経験の年齢の割合を同世代ベースにし、下から積み上げた累積パーセンテージにした。<図1>は、それを折れ線グラフにしたものだ。「●歳の時点において、同世代の●%が●●を経験済み」というふうに読める。

data231018-chart02.png

20%と50%のラインを引いてあるが、同世代の経験済み率が2割を超えるのは、告白が13歳、デートが14歳、キスが15歳、性交が18歳となっている。半数超えは告白とデートが16歳、キスは19歳だ。性交は、大学卒業時点までに半数に達しないようだ。

タテの線を引くと、各年齢時点における周囲との比較の目安が得られる。セブンティーン(17歳)をみると、告白とデートは半数、キスは3人に1人、性交は8人に1人、という具合だ。乳幼児の発育の標準を知れる「発育曲線」が母子手帳に載っているが、思春期・青年期の性行為の標準をうかがうデータとして、参考にしていただければと思う。

<図1>の曲線をよく見ると、中学生段階でも1割弱が性交を経験している(大都市ではもっと高い)。正しい知識がないために、望まない妊娠に至る生徒もいるだろう。中学校の保健では「妊娠の経過」は取り扱わない、という学習指導要領の規定は見直す余地がありそうだ。

<資料:日本性教育協会『青少年の性行動・第8回調査報告』(2018年)

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米JPモルガンもDEI方針変更、「公平性」から「機

ワールド

移民強制送還への戦時法適用は正当、トランプ政権高官

ビジネス

インド当局、VWの未納税金請求取り消しなら「壊滅的

ワールド

デンマーク、米渡航のトランスジェンダーに大使館への
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平
特集:2025年の大谷翔平
2025年3月25日号(3/18発売)

連覇を目指し、初の東京ドーム開幕戦に臨むドジャース。「二刀流」復帰の大谷とチームをアメリカはこうみる

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャース・ロバーツ監督が大絶賛、西麻布の焼肉店はどんな店?
  • 4
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    失墜テスラにダブルパンチ...販売不振に続く「保険料…
  • 7
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 8
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 10
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中