バイデンがまた共和党に攻撃材料?「私は9.11テロの翌日現場にいた」発言はどこからきたのか
Where Was Joe Biden on Day After 9/11? President's Story Raises Questions
9.11テロの22回目の記念日にアラスカの米軍基地でおかしな演説をしたバイデン REUTERS/Evelyn Hockstein
<ニューヨークで起きた同時多発テロから22年になる9月11日、バイデンは演説でテロの翌日現場にいたという話をしたが、その真偽が疑われている>
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ジョー・バイデンは2001年9月11日に起きた同時多発テロの翌日、ワールドトレードセンターの跡地を訪れたと主張し、非難を浴びている。当時、上院議員だったバイデンがその日にニューヨークにいたという記録がまったくないからだ。
アメリカ史上最悪のテロ攻撃から22年目を迎えた9月11日、バイデンはアラスカの軍事基地で行った演説のなかで、この話をした。
80歳という高齢のバイデンが2期目を務めることには不安があるという声が少なくないなか、共和党はバイデンの失言に注目している。2022年10月、バイデンは自分のことを「イラクで命を落とした男」の父親だと発言したが、これは誤った発言だった。明らかにイラク戦争に従軍した長男のボー・バイデンのことを指しているが、ボーは15年にメリーランド州ベセスダのウォルター・リード国立軍事医療センターで脳腫瘍のため死亡した。
バイデンは11日、アンカレッジのエルメンドルフ・リチャードソン合同基地で演説し、9・11テロについてこう語った。「私はこの厳粛な日に、あなた方とともに神聖な誓いを新たにする。決して忘れない。私たちは決して忘れない。尊い命が、ニューヨークのグラウンドゼロに対する悪の攻撃によってあまりにも早く奪われたことを。テロの翌日、私は現場に行って崩壊した建物を見たことを覚えている。地獄の門を覗いたような気がした。崩壊の現場には近づくことができず、だからこそ悲惨さが際立っていた」
バイデンはどこにいた?
2001年9月12日にバイデンがグラウンドゼロにいたという記録はない。だが彼はその日、ワシントンの上院でスピーチを行い、その中で、テロ攻撃を仕掛けた者たちは、文明世界を団結させることに成功したと述べていた。
2007年の回顧録『守るべき約束:人生と政治について』でも、バイデンは2001年9月12日に連邦議会議事堂に戻ったと書いているが、ニューヨークの世界貿易センタービルの焼け跡を訪れたことについては触れていない。
本誌の取材に対し、ホワイトハウスの報道官は、バイデンは01年9月20日に上院議員団の一員としてグラウンドゼロを訪問したとは述べたが、9月12日に現場にいたという主張についてはコメントしなかった。
2001年9月11日、イスラム過激派組織アルカイダのテロリスト19人が4機の民間旅客機をハイジャックした。そのうち2機が世界貿易センタービルのツインタワーにそれぞれ突っ込み、もう1機はバージニア州アーリントン郡のペンタゴンに突撃した。4機目の旅客機は、乗客が事態に気づきコックピットを襲撃しようとした後、ペンシルベニア州の田舎に墜落した。
このテロで3000人弱の死者が出たが、その大半は、旅客機が突っ込んでから1時間足らずで崩壊した世界貿易センターのツインタワーのなかにいた。