日米韓首脳、キャンプ・デービッドで会談 日米は極超音速兵器の迎撃ミサイルを共同開発
日米韓3カ国の首脳は18日、米ワシントン近郊メリーランド州の山荘「キャンプデービッド」で会談し、防衛、経済関係の深化のほか、首脳会議を毎年定例化することなどで合意した。写真は共同会見に臨む3カ国首脳。8月18日撮影(2023年 ロイター/Jim Bourg)
日米韓3カ国の首脳は18日、米ワシントン近郊メリーランド州の山荘「キャンプデービッド」で会談し、防衛、経済関係の深化のほか、首脳会議を毎年定例化することなどで合意した。
バイデン大統領はこの日、米ワシントン近郊メリーランド州の山荘「キャンプデービッド」で岸田文雄首相と韓国の尹錫悦大統領と3カ国首脳会談を実施。ロイターが入手した韓国版の共同声明は「このほど見られている中国の南シナ海における違法な海洋領有権を主張する危険で攻撃的な行動について、インド太平洋海域における現状を一方的に変更しようとするいかなる試みにも強く反対する」としている。
日米韓はこのほか、3カ国の軍事訓練を毎年実施するほか、2023年末までに北朝鮮のミサイル発射に関する情報をリアルタイムで共有できるようにすることも確約。日米韓首脳会談を毎年開催することでも合意した。
ロシアによるウクライナ侵攻については、ウクライナへの支援を継続し、ロシアに対する強力かつ協調的な制裁を維持することで合意。ロシア産エネルギーへの依存を一段と低下させることでも見解が一致した。
また、日米両首脳は極超音速兵器の迎撃ミサイルを共同開発することで合意した。日本の外務省が会談内容を発表した。抑止力をさらに強化するためとしている。
米バイデン大統領「3カ国の新時代」
バイデン米大統領は18日、米ワシントン近郊メリーランド州の山荘「キャンプデービッド」で開いた日米韓首脳会談について、3カ国の新時代が始まったとの認識を示した。
会談はより平和で繁栄するインド太平洋を築くためのものであり、中国問題を焦点としたものではなかったが、「明らかに話題になった」とした。
また、ロシアによるウクライナ侵攻に対し強い国際的な反応がなかったとしたら「台湾について中国にどんなシグナルを送ることになるのか」と懸念を表明した。
共同会見では、税金未納と銃所持を巡る容疑で訴追された息子のハンター・バイデン氏についての質問も出たが、ノーコメントだとした。
韓国ムン大統領「福島原発の処理水放出は議題にならず」
韓国の尹錫悦大統領は18日、ワシントン近郊の山荘「キャンプデービッド」で行われた日米韓首脳会談で、日本が計画している福島第1原子力発電所の処理水放出は議題として取り上げられなかったと述べた。
尹大統領は、福島原発の処理水を巡る透明性のある情報公開を望んでいるとし、プロセスは国際原子力機関(IAEA)の手続きに沿って行われる必要があるとの考えを示した。
一方、岸田文雄首相は米国時間18日夕(日本時間19日朝)、訪問先のメリーランド州で記者団の取材に応じ、東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出について、政府として「判断すべき最終的な段階に至っている」との認識を示した。首相は帰国後、20日に同原発を訪問する予定であることも明らかにした。