最新記事
BOOKS

路上売春に行く私を、彼氏は笑顔で送り出してくれ、帰ればセックスしてくれるから「私はそれで幸せ」。なぜ彼女は...

2023年8月14日(月)19時10分
印南敦史(作家、書評家)

しかも街娼の中には、統合失調症やASDなどの障害を抱えている女性も少なくないようだ。だとすればホストは、女性たちのそうした深刻な事情を弄んでいるとも解釈できる。

おかしな話で、いまの時代はホストという存在がマスコミでもてはやされている。ホスト出身のタレントも人気であるようだ。しかし、それは"集団思考停止状態"だと言わざるを得ない。

 
 
 
 
 

なぜならホストが、こうして女性たちを食い物にする存在であることは間違いないのだから。それを放置した結果が路上売春の増加である以上、そこから目を背けるべきではない。

そして国としても、そのような悪質なホストを「排除」するために一刻も早く動くべきである。これは決して大げさな主張などではない。もっと真剣に現実に目を向け、一刻も早く対処することが求められているのだ。

ルポ 新宿歌舞伎町 路上売春
 高木瑞穂 著
 鉄人社

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)


[筆者]
印南敦史
1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。現在は他に「ライフハッカー[日本版]」「東洋経済オンライン」「WEBRONZA」「サライ.jp」「WANI BOOKOUT」などで連載を持つほか、「ダ・ヴィンチ」などにも寄稿。ベストセラーとなった『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)をはじめ、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)など著作多数。新刊は、『書評の仕事』(ワニブックス)。2020年6月、日本一ネットにより「書評執筆本数日本一」に認定された。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、4週連続横ばい=ベーカ

ビジネス

伊首相、トランプ氏と会談 米南部私邸を訪問

ワールド

尹氏拘束令状の期限迫る、執行に向け捜査当局が大統領

ワールド

米新車販売24年は約1600万台、HVがけん引 E
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2025
特集:ISSUES 2025
2024年12月31日/2025年1月 7日号(12/24発売)

トランプ2.0/中東&ウクライナ戦争/米経済/中国経済/AI......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    青学大・原監督と予選落ち大学の選手たちが見せた奇跡...池井戸潤の『俺たちの箱根駅伝』を超える実話
  • 2
    ザポリージャ州の「ロシア軍司令部」にHIMARS攻撃...ミサイル直撃で建物が吹き飛ぶ瞬間映像
  • 3
    わが子の亡骸を17日間離さなかったシャチに新しい赤ちゃんが誕生
  • 4
    早稲田の卒業生はなぜ母校が「難関校」になることを…
  • 5
    「妄想がすごい!」 米セレブ、「テイラー・スウィフ…
  • 6
    ウクライナ水上ドローンが「史上初」の攻撃成功...海…
  • 7
    真の敵は中国──帝政ロシアの過ちに学ばない愚かさ
  • 8
    韓国の捜査機関、ユン大統領の拘束執行を中止 警護庁…
  • 9
    地下鉄で火をつけられた女性を、焼け死ぬまで「誰も…
  • 10
    北朝鮮を頼って韓国を怒らせたプーチンの大誤算
  • 1
    地下鉄で火をつけられた女性を、焼け死ぬまで「誰も助けず携帯で撮影した」事件がえぐり出すNYの恥部
  • 2
    真の敵は中国──帝政ロシアの過ちに学ばない愚かさ
  • 3
    JO1やINIが所属するLAPONEの崔社長「日本の音楽の強みは『個性』。そこを僕らも大切にしたい」
  • 4
    イースター島で見つかった1億6500万年前の「タイムカ…
  • 5
    カヤックの下にうごめく「謎の影」...釣り人を恐怖に…
  • 6
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 7
    早稲田の卒業生はなぜ母校が「難関校」になることを…
  • 8
    「弾薬庫で火災と爆発」ロシア最大の軍事演習場を複…
  • 9
    キャサリン妃の「結婚前からの大変身」が話題に...「…
  • 10
    スターバックスのレシートが示す現実...たった3年で…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 3
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 4
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 8
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 9
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 10
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中