首相が語る、「世界一幸せな国」ブータンが「カーボン・ネガティブ」で進む道
A BALANCING ACT
──ブータンをめぐる最大の話題は常に気候変動だ。本質的にカーボン・ネガティブな国から世界に向けたメッセージは?
世界が2050年までにカーボン・ニュートラル(CO2の排出量と吸収量を相殺してCO2排出量を実質ゼロにすること)を目指しているなかでブータンが本質的にカーボン・ネガティブであることに私は注目してきた。世界の多くの国はカーボン・ネガティブになるのは不可能だが、ブータンは実現している。
これは歴代の首相や国王のおかげだ。ブータンの憲法は国土に占める森林面積を少なくとも60%に保つよう明記している。こうしたビジョンのある憲法は世界にどのくらいあるだろうか。私たちは手付かずの環境を何世代にもわたって守ってきた。
世界中の国々が工業化を進めたが、ブータンは工業化しなかった、いや、できなかった。他の国々のように工業化していたら、カーボン・ネガティブを達成できただろうか。そうは思えない。工業化しなかった、いや、できなかったのは幸いだった。ブータンは他国よりも少しだけ長く貧しいままだったが、今ではほかの国にはない豊かさがある。森林が国土の72%を占めているのだ。
今後どうするか? わが国は既に国連などの気候変動対策の機関に参加し、今後もずっと緑豊かな国土を保つと誓っている。森林に覆われた72%の国土は国立公園、緑の回廊、生物多様性ホットスポットとしてさらに保護されている。半永久的に保護するための法整備も進んだ。場所によっては住民に犠牲を強いなくてはならない。
農村部の一部には先祖代々そこで暮らしてきた人たちがいて、彼らには多少の不自由を強いることになる。彼らを支援し、可能なら移住を勧めている。ブータンだけでなく、全世界に貢献するために。
温室効果ガスが国境を越えられなければ、どんなにいいだろう。そうはいかないから他国が排出したガスがブータンに影響を及ぼしている。
わが国がカーボン・ネガティブを維持できなくなるとすれば、その最大の元凶は自動車だ。私たちは電気自動車(EV)の普及を目指して国家計画を策定した。EVの保有台数を60~70%増やし、ガソリンやディーゼル車を減らしたい。水素エネルギーにも関心を寄せている。研究開発が急速に進んでいるからだ。有望であれば重点的に投資したい。
カーボン・ネガティブの維持は外部から押し付けられた義務ではなく、自主的な目標だ。
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