モスクワを攻撃されても事を荒立てたがらないプーチンの秘密とは?
Why Putin is Downplaying Moscow Drone Strikes
それと同時に、「ウクライナ軍の特殊部隊がやった可能性も排除できない」と、メレシュコは認める。「もちろん証明はできないが、そうではないという確証もない」
「興味深いのは、ロシアの防空体制の脆弱さが浮き彫りにされたことだ」と、メレシュコは言う。ウクライナとの国境に近いロシア領内でこのところ相次いでいるドローン攻撃は、ウクライナに支援された反プーチン派のロシア兵による攻撃とみられ、ロシア軍の内部で不満が高まっていることを物語るとも指摘した。
脆弱なのは防空だけではない。ロシアは5月に入り、ウクライナの首都キーウに対し17回におよぶ激しいドローン攻撃とミサイル攻撃を行なってきた。5月30日には31機の自爆ドローンを送り込んだが、うち29機はウクライナの防空システムが迎撃している。5月31日にキーウ・タイムズ紙が発表した統計によると、ロシアが発射した兵器の90%は目標に達していないという。
ポドリャクはツイートで、誰かのドローンがモスクワにまで届いてしまうのは、防空システムが弱いからだ。防空システムが弱いのは、時代遅れのロシア兵器を敵として想定しているからだろうと書いている。
「かつてレーニンは、帝政ロシアの独裁体制が堅牢なのはうわべだけで、実際には内部から腐っている、と喝破した」と、メレシュコは言う。プーチン体制も同じだ。「ちょっと触れば、脆くも崩れだす」