最新記事
米大統領選

「アンチがいるほど勝利への意欲を燃やすタイプ」...トランプにとって次期大統領選挙は戦いやすい環境

Can Trump Still Win?

2023年4月20日(木)19時35分
ダニエル・ブッシュ(本誌ホワイトハウス担当)

ラリー・ホーガン前メリーランド州知事など、共和党指名候補争いに名乗りを上げようとしている政治家は、候補者が増えるほど、トランプは勝利しやすくなると警告する。

4月半ばの段階で正式な出馬表明をしているのは、トランプ政権で国連大使を務めたニッキー・ヘイリー前サウスカロライナ州知事、起業家のビベク・ラマスワミ、そしてエーサ・ハッチンソン前アーカンソー州知事の3人だけだ。

今後出馬する可能性がある面々としては、デサンティスのほか、マイク・ペンス前副大統領やマイク・ポンペオ前国務長官、ジョン・ボルトン元国家安全保障担当大統領補佐官、ティム・スコット上院議員、バージニア州のグレン・ヤンキン知事などがいる。

ただ、最終的な候補者数が何人になるかはまだ分からない。共和党予備選の候補者による第1回討論会は8月だし、最初の予備選に当たるアイオワ州共和党大会は24年2月だ。16年の予備選では、当初は最有力と騒がれた候補が続々と脱落した。

今回、トランプにとって最大の対立候補が誰になるにせよ、トランプの支持者を遠ざけずにトランプを破る方法を見つけることが重要だと、ドレーク大学のデニス・ゴールドフォード教授(政治学)は語る。

「トランプ支持者だけでは勝てないが、彼らなしでも勝利できない」

候補者が出そろわないなかでは、政策などの違いもまだはっきりしない。ただ、デサンティスだけは、社会問題で「左派と真っ向から対立する文化的戦士」という政治的ブランドを確立してきた。

デサンティスの出馬表明は、5月上旬のフロリダ州議会の会期終了後とみられている。だが、出馬表明を先延ばしにするほど、トランプの法的問題が悪化して、デサンティスこそがトランプに代わる最高の選択肢だとアピールしやすくなるとの見方もある。

ただ、このように直接的なトランプ批判を避けて、トランプが自滅するのを待つ戦略は裏目に出る危険もある。

「共和党のあらゆる候補が24年に避けるべきなのは、16年の候補者たちと同じ過ちを犯すことだ」とボルトンは語る。「きちんとトランプを攻撃して、その政治生命に終止符を打たなくてはいけない。それは早いほどいい」

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ次期大統領、予算局長にボート氏 プロジェク

ワールド

トランプ氏、労働長官にチャベスデレマー下院議員を指

ビジネス

アングル:データセンター対応で化石燃料使用急増の恐

ワールド

COP29、会期延長 途上国支援案で合意できず
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでいない」の証言...「不都合な真実」見てしまった軍人の運命
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 6
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 9
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 10
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 9
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 10
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中