「アンチがいるほど勝利への意欲を燃やすタイプ」...トランプにとって次期大統領選挙は戦いやすい環境
Can Trump Still Win?
ラリー・ホーガン前メリーランド州知事など、共和党指名候補争いに名乗りを上げようとしている政治家は、候補者が増えるほど、トランプは勝利しやすくなると警告する。
4月半ばの段階で正式な出馬表明をしているのは、トランプ政権で国連大使を務めたニッキー・ヘイリー前サウスカロライナ州知事、起業家のビベク・ラマスワミ、そしてエーサ・ハッチンソン前アーカンソー州知事の3人だけだ。
今後出馬する可能性がある面々としては、デサンティスのほか、マイク・ペンス前副大統領やマイク・ポンペオ前国務長官、ジョン・ボルトン元国家安全保障担当大統領補佐官、ティム・スコット上院議員、バージニア州のグレン・ヤンキン知事などがいる。
ただ、最終的な候補者数が何人になるかはまだ分からない。共和党予備選の候補者による第1回討論会は8月だし、最初の予備選に当たるアイオワ州共和党大会は24年2月だ。16年の予備選では、当初は最有力と騒がれた候補が続々と脱落した。
今回、トランプにとって最大の対立候補が誰になるにせよ、トランプの支持者を遠ざけずにトランプを破る方法を見つけることが重要だと、ドレーク大学のデニス・ゴールドフォード教授(政治学)は語る。
「トランプ支持者だけでは勝てないが、彼らなしでも勝利できない」
候補者が出そろわないなかでは、政策などの違いもまだはっきりしない。ただ、デサンティスだけは、社会問題で「左派と真っ向から対立する文化的戦士」という政治的ブランドを確立してきた。
デサンティスの出馬表明は、5月上旬のフロリダ州議会の会期終了後とみられている。だが、出馬表明を先延ばしにするほど、トランプの法的問題が悪化して、デサンティスこそがトランプに代わる最高の選択肢だとアピールしやすくなるとの見方もある。
ただ、このように直接的なトランプ批判を避けて、トランプが自滅するのを待つ戦略は裏目に出る危険もある。
「共和党のあらゆる候補が24年に避けるべきなのは、16年の候補者たちと同じ過ちを犯すことだ」とボルトンは語る。「きちんとトランプを攻撃して、その政治生命に終止符を打たなくてはいけない。それは早いほどいい」