「アンチがいるほど勝利への意欲を燃やすタイプ」...トランプにとって次期大統領選挙は戦いやすい環境
Can Trump Still Win?
資金はバイデンの勝ち?
とはいえ、本選になれば、少額献金者の支持だけでは勝てないだろう。20年選挙のとき、バイデンは10億ドル以上の献金を集め、トランプの7億7300万ドルを大きく上回った。
今回も、資金調達競争に勝つのはバイデンだと、民主党関係者は考えている。
トランプが3回連続で共和党の大統領指名候補になれば、民主党の「献金者らには(絶対に負けてはならないと献金する)強力なモチベーションになる」と、民主党候補の資金調達をしてきたオーブリー・モンゴメリーは語る。
「トランプが大統領になったらどうなるかは、もはや想像する必要がない」と彼女は言う。「いかに民主主義に大きなダメージを与えるか、私たちは目の当たりにしてきた」
共和党関係者は、トランプが再び大統領候補になれば、バイデンの資金調達面でのリードは前回より大きくなると内々に予想しており、「トランプでは本選に勝てない」という党幹部の危機感をあおる理由の1つになっている。
だが、起訴によりトランプへの献金は増えているし、外部の政治団体からも大きな支援を期待できそうだ。
トランプ系の政治資金管理団体である「メイク・アメリカ・グレート・アゲインPAC」は、年初の時点で5400万ドルを確保しており、主要州の予備選に向けて対立候補を攻撃するCMを大量に流せる。
共和党予備選に向けた選挙活動は始まったばかりだが、はっきりしていることが1つあると、24年の資金調達に関わる共和党関係者は言う。資金集めではトランプとデサンティスの一騎打ちの状態で、それ以外の候補は資金集めに苦労しそうだということだ。
対立候補の数がカギに
トランプが共和党指名候補の座を勝ち取れるかどうかを左右する3つ目のポイントは、対立候補の数だ。
16年の共和党予備選では、17人もの候補が名乗りを上げたため、候補者の間で票が割れ、最初の3つの予備選でトランプが得票率40%未満ながら勝利を収める一因となった。