「アンチがいるほど勝利への意欲を燃やすタイプ」...トランプにとって次期大統領選挙は戦いやすい環境
Can Trump Still Win?
1つは20年の大統領選でバイデンが勝利したジョージア州の集票結果を覆そうとした件で、同州の検察が捜査を行っている。
残る2件は連邦検察官が進めている捜査で、1つは選挙妨害と21年1月6日の連邦議会議事堂襲撃でトランプが果たした役割に関するもの、もう1つは退任時にホワイトハウスから「最高機密」を含む機密文書を持ち出した件だ。
これらの捜査がトランプの選挙活動に及ぼす影響は現時点では不明だが、マンハッタン地検の訴追だけでも「非常に重大」だと、ニューヨーク州の選挙専門弁護士ジェリー・ゴールドフェダーは言う。
「(ブラッグ検事は)合理的な疑いを超えて有罪を実証できると100%確信を持てなければ起訴に踏み切らない」
ほかの訴追がそこに加われば、トランプが今よりはるかに深刻な危機に追い込まれることは否めないと、ノースカロライナ大学チャペルヒル校の憲法の専門家マイケル・ガーハートは話す。
ほかの件でも訴追されれば、トランプは予備選に集中できなくなるとの見方もある。裁判所に頻繁に出廷することになれば、遊説に費やすべき貴重な時間を奪われるし、法廷での弁護に力を入れれば、老骨にむち打って選挙活動を精力的に進めるのは難しくなる。
ニューヨーク州の裁判だけでも決着がつくまでに「最低1年半はかかるだろう」と、ガーハートは言う。「有罪となれば上訴するだろうから、延々と長引くことになる」
トランプの今後に影響を与える2つ目の要素は、どのくらい選挙資金を集められるかだ。トランプであれ誰であれ、共和党予備選、そして本選を勝ち抜くためには、莫大な選挙資金が必要になる。
ここでも、トランプの起訴は予備選では短期的に有利に働くかもしれない。