「TikTok」巡る公聴会、ただ蹴散らされるために呼ばれたCEO...向けられた「疑い」と「敵意」
Loving and Hating TikTok
米バイデン政権は親会社のバイトダンスに、TikTokの売却を迫っていた。しかし中国商務省の報道官は23日、売却する場合は中国政府の許可が必要だと主張した。
公聴会でマイケル・バージェス議員は、中国側のこの動きがアメリカ側の求める親会社からの事業分離の妨げになるかどうかや、バイトダンス関係者が公聴会に向けてチョウの「準備」を手伝ったかについて尋ねた。チョウは、あらゆる方面から激励のメッセージや助言を受け取ったとだけ答えた。
アンナ・エシュー議員は、既に中国側が握っている米ユーザーのデータが今後、アメリカ事業専用の保管庫に移されることをどう保証できるのかと尋ねた。チョウは中国が今もこれらのデータを持っている「証拠は一切ない」と主張。これに対してエシューは「ばかげてる!」と述べた。
中国共産党への協力を企業に義務付ける中国の法律は、TikTok動画の共有・宣伝方法にどこまで影響するのかという質問もあった。チョウは「多くの企業と同様、当社もグローバルな労働力に頼っている」と言うだけだった。
議員らはワシントン・ポストなど主要紙の報道を引用し、TikTokの動画も質問の中で使ったが、新たな証拠を示すことにはならなかったようだ。
今後へ明確なメッセージ
バイトダンスの他のアプリについて、委員会はそれほど関心を払っていないようだった。質問の対象になった他のアプリは、ほとんどがTikTokの中国版、抖音(ドウイン)だった。
リチャード・ハドソン議員は、TikTokと抖音は「接続」しているのか、抖音から米国内のデータにアクセスできるのかと質問。これに対してチョウは、プロジェクト・テキサスの終了後は、いずれのアプリもファイアウォールで完全に保護されると約束しただけだった。
一方で、中国政府が関与している可能性のあるさまざまな問題も取り上げられた。
TikTokのソースコードは誰が書いたのか。バイトダンスがTikTokの所有権を保持すべきと党に言われたら異議を唱えられるか。TikTokとバイトダンスから、チョウはどのような報酬を得たのか。TikTokは党のプロパガンダを発信する役目を担っているのか。TikTokの「あらゆる情報が中国で見られている」という元社員の指摘をどう思うか。