「TikTok」巡る公聴会、ただ蹴散らされるために呼ばれたCEO...向けられた「疑い」と「敵意」
Loving and Hating TikTok
矢継ぎ早の質問に、チョウは「はい」か「いいえ」で答えるよう求められた。彼が疑いと敵意を向けられていたのは明らかで、ジェイ・オバーノルティ議員は「あなたは信用されていない」と言い切り、公聴会の大半は対中強硬派議員によるアピールタイムと化した。時間を忘れて見続けてしまうような動画を次々に表示するTikTok特有のアルゴリズムや、ユーザーへの悪影響について示唆に富む質問も出た。だが公聴会のやりとりには、外国の潜在的な敵対勢力に対処するアメリカの今後の姿勢を示す明確なメッセージが込められていた。
TikTokが行っているとされるデータ運用の多くは、アメリカのSNS企業のそれと非常に似ている(チョウはその点を何度も指摘した)。委員会はその事実を知らないわけではないのに、それでもTikTokの個人データ監視について厳しく追及したのは、このアプリを開発したのが中国企業だからだ。
「TikTokは、中国共産党がユーザーを操るための武器だ」と、ロジャースは語った。これは、チョウが何を言おうと自分の考えは変わらないという姿勢の表明だ。
チョウはただ蹴散らされるために委員会に呼ばれた。アメリカ人の誰もが(委員会のメンバーでさえも)TikTokを楽しんでいるのだが。