衝撃のビフォーアフター...「ごみ屋敷」掃除ボランティアで、世界に大反響を呼んだ女性
“I Clean for Free”
自分もかつては人に助けられたから、今は自分が助けたいとカタリーナは言う AURI KATARIINA
<さまざまな事情で自宅をきれいにできない人のために、無料の「お掃除ボランティア」で世界中を飛び回る>
お掃除に目覚めたのは16歳のとき。母がずっとその関係の仕事をしていて、自分もやりたいと思った。だって、掃除はすごい。何年もかけてこびりついた汚れが、ものの2、3分で取れてしまう!
■【動画】ゴミだらけの「汚部屋」が驚くほどきれいに...カタリーナによる掃除のビフォーアフター
私はフィンランド人。母の清掃会社で働きながら大学でホスピタリティー・マネジメントを学び、21歳で卒業した。その後は会社でマネジャーに昇格し、約30人の部下を率いて働くことになった。
最初のうちは、頼まれれば週末に友人や親戚の家を掃除して、その動画をSNSに投稿していた。
そして2020年10月のこと。SNSのフォロワーの1人が、夫が自殺してしまったと言ってきた。彼女には3人の小さな子がいて、忙しくて掃除まで手が回らなかった。助けてと言われて、もちろん引き受けた。
子供たちはひとまず彼女の実家に預けて、私は家を徹底的に掃除した。彼女は喜び、私も満足。こうして私の「週末お掃除ボランティア」が始まった。
掃除ができない事情も
SNSでの反響(つまり、お掃除仕事の依頼)はどんどん増えた。それで私は母の会社を辞め、お掃除ボランティアに専念することにした。安定的な収入はなくなったが、現場への出張費を負担してくれるスポンサー企業が2社見つかった。
それに、フォロワーが増えればSNSの運営業者から一定の報酬をもらえる。結果として、私の会社は今のところ毎月約8万ユーロ(約1130万円)を稼いでいる。自分の報酬はその半分で、母の会社にいた頃と大差ない。
今までにいろんな国で掃除をしてきた。汚すぎると思った家は一軒もない。逆に、きれいすぎるのでお断りしたことはある。つまらないから。
最高に汚い家はフィンランドにあった。床が見えず、ネズミだらけで、思わず「ホラーハウス(戦慄の家)」とつぶやいてしまった。
真っ黒になった超不潔なバスルームの写真が送られてきたこともある。このときは「ウソでしょ、最高のバスルームね」と思った。写真を送ってきたのはスイスの人で、本当に困っていた。業者に頼んだら200万円以上かかると言われたそうで、私に救いを求めてきた。
最近の仕事で思い出すのは、スウェーデンのオリガという女性。交際相手に虐待され、流産したばかりで、健康問題も抱えていてほとんど動けないと言ってきた。