「走る要塞?」...防弾仕様、核電磁パルス対応の武装SUVが登場
追っ手による脅威だけでなく、テロや核攻撃などへの対応も視野に入れているようだ。万一核攻撃や電磁攻撃が実行された際には電磁パルスが生じ、一帯では電子機器が使用不能となる。ヴェンジェンスはこのような状況を想定し、パルスから車体を保護する機構を備えている。
車内にはサバイバルキットが常備されており、防弾ヘルメットに防弾ベスト、ガスマスクに救急キットといった装備で同乗者の命をつなぐ。
英紙は巨大化傾向にチクリ
英ガーディアン紙は、「ビッグマックからマクマンション(狭い土地に量産される豪邸を軽蔑していう)まで、ありとあらゆるものを大型化することが大好きなアメリカでは、既存のものよりも大きく、より重いクルマの販売が急伸しているのにも無理はないことだ」と皮肉たっぷりだ。
同紙はさらに、車体重量が大きなSUVの販売が伸びるに従い、こうしたセグメントの車で高くなりがちな歩行者の死亡率の増加が問題になっていると指摘する。通常のSUVにも輪を掛けてバルキーなヴェンジェンスは、同乗者に究極の安全性を提供しつつも、歩行者にはちょっとした脅威となるかもしれない。
アメリカ国内でもさすがに、過剰な装備をどう受け止めてよいか戸惑いがあるようだ。米自動車メディアのジャロプニックは、「今日の市場において、レズヴァニ ヴェンジェンスほど人に見られて恥ずかしい思いをするクルマはそうそうない」「世間を恐れ、郊外のスターバックスに行ってコーヒーを安全に注文するために、AR-15ライフルを2丁持っていくべきだと信じているような奴のための、浮世離れしたクルマだ」と痛烈だ。
要人にとってはありがたい?
非難ごうごうのヴェンジェンスだが、要人にとっては心強い相棒となるかもしれない。
ヴェンジェンスは7シータまたは8シータ仕様の武装SUVだ。6.2L V8エンジンを標準搭載し、3.0LターボディーゼルまたはV8エンジンをオプションで選択可能となっている。衝突警報や電動テールゲート、ヒートシーターなど、一般の乗用車で普及が進む機能も標準搭載している。
ベース価格は28万5000ドル(約3700万円)。オプションフル装備では49万9000ドル(約6500万円)の設定だ。