TVリポーターに突然の異変──目はうつろ、ふらつく ネット上に溢れる「ワクチンのせいだ」の声
Presenter Suffers Medical Emergency Live on Air, Sparks Conspiracy Theories
(写真はイメージです) Tunatura-iStock
<生中継中、突如異変に襲われたTVリポーター。ネット上には「ワクチンのせいだ」とする陰謀論が相次いで投稿されている>
カナダ・エドモントンを拠点に活動するTVリポーターが1月8日、テレビの生中継中に体調不良に陥ったことで、新たな陰謀論がネット上を渦巻いている。
そのTVリポーターはCTV News Edmontonに所属するジェシカ・ロブ。彼女は現場からの生中継の最中に口ごもり、ふらつく。その後、同局は「彼女は回復し休んでいる」とTwitterへの投稿で明らかにしている。
だが放送後、ロブに何が起きたのか、そして何が原因だったのかを巡って、ネット上には根も葉もない陰謀論が溢れた。
映像を見ると、ロブはスタジオのナーレマン・イッサの質問に対して、呼吸が苦しそうに応じている。深く息を吸い込むも言葉が出てこなくなり、同じフレーズを何度か繰り返した後に、以下のように話す。
「ごめんなさい、あまり気分が良くなくて、このままだと...」
映像がスタジオに戻る直前、ロブは目がうつろになり、つまずく。イッサは「ロブは一人ではありません。撮影クルーと一緒にいます」と説明した。
ロブのTwitterアカウントは現在、非公開に設定されている。だが、撮影クルーのショーン・マクルーンに宛てた感謝の言葉や、イッサを「圧倒的なプロ」と評したツイートのスクリーンショットが、Twitter上で見られる。
だが、CTV News Edmontonやロブ自身による公式な発表を待たずして、新型コロナウイルス関連の陰謀論を唱える複数のTwitterユーザーが、ロブの突然の体調不良は「ワクチンによる副作用」が原因だったと断定。あるユーザーが、彼女がワクチンを3回接種していることを過去のツイートから把握したためだ。
反ワクチン派のプロパガンダ映画『Died Suddenly』の公式Twitterアカウントは「気がかりだ」と言い、ロブの体調不良を「3回のワクチン接種」と関連付けた。
陰謀論映画『Plandemic』に関する記事を複数投稿し、バイデン政権の首席医療顧問を務めてきたアンソニー・ファウチ博士を「反キリスト」呼ばわりしたキリスト教系ウェブサイト、Now The End Beginsは、以下のようにツイートした。
「極めて不快だ。我々の目の前で崩壊が起きている。どうか彼女が助かるように祈ってほしい」
Twitter上には他にも、ロブは脳卒中や心臓発作に襲われたのだとする推測も飛び交った。だがどちらの病気も、ワクチン接種者よりもコロナ感染者に発生するケースの方がはるかに多いというのが、医学専門家たちの見解だ。
1月2日、フットボール選手のダマール・ハマリンが試合中に心不全を発症した時も、反ワクチン派は今回と同様の反応を示していた。
保守派の活動家であるチャーリー・カークは「スポーツ選手が突然、倒れる。あまりにも身近で悲惨な光景です」とツイート。スポーツ選手たちの死とワクチンを関連付ける陰謀論を、明確に意識した上でのコメントだろう。
また、Fox Newsでのタッカー・カールソンとの対談で、ワクチン関連の有害事象の多さに疑問を呈している医学博士のピーター・マッカローは「最も心配すべきはワクチンが原因の心筋炎だと思う」と述べていた。
このような「陰謀説の嵐」を受け、ファウチ博士はCBSにこう語っていた。
「またしても陰謀論。ナンセンスです。人々に、ワクチン接種をしない、家族にもさせないという決断をさせ、その結果、命を落とすかもしれないのに」
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