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ウクライナ情勢ロシア国防省「ターミネーター」の実戦映像を公開
戦勝記念日パレードのリハーサルで披露されたBMPT(2019年5月7日、モスクワ) Shamil Zhumatov-REUTERS
<戦車支援戦闘車BMPT(通称ターミネーター)が確認されるのは極めて稀>
今週初め、ウクライナ東部ルハンシク州クレミンナ周辺の森林地帯でロシア軍の戦車がウクライナ軍に激しい攻撃を仕掛ける映像がネット上に公開された。
元米海兵隊員で外交政策研究所シニアフェローのロブ・リーは、ロシアの戦車支援戦闘車「BMPT(通称ターミネーター)」が前線で戦車と作戦を共にする「珍しい映像」をツイッターで紹介した。
ロシア軍は、敵歩兵による死角からの攻撃に弱い戦車に随伴し、護衛する対人戦用の戦闘車としてBMPTを開発。ただし、保有台数が非常に限られており、目撃されることは極めて稀だという。
ドローンが捉えた映像からは、凄まじい数の砲弾が森の中の標的へと放たれ、時折木が倒れる様子が確認できる。20年12月のビジネスインサイダーの記事によると、BMPTには多数の武器が搭載され、複数のターゲットを同時に攻撃できるよう設計されている。5人のオペレーターの搭乗が可能で、そのうち4人が兵器を操作する仕様だ。
ロシア国防省系のテレビ局「ズベズダ」は、この1分弱の映像は同省が公開したもので、無人機によってウクライナ軍の位置を特定したと報道。動画後半には、ウクライナ軍のものと見られる損傷した戦車と、戦車から飛び降りて森へ這っていく兵士の姿が映し出されている。
昨年2月のロシアによる侵攻開始からすでに11カ月が経過。25日には米独がウクライナへの主力戦車の供与を発表した。西側諸国からの兵器や弾薬の援助を受け、ウクライナ軍も応戦を続けている。