最新記事

犯罪捜査

父親は「連続殺人鬼」 誰も耳を貸さなかった子供の訴え...その驚愕の真相に迫る

FIELD OF NIGHTMARES?

2022年11月26日(土)19時32分
エリク・ファーケンホフ、ナビード・ジャマリ(いずれも本誌記者)

もし遺体が見つかれば、技術の進歩により、犠牲者の家族は一定の心の区切りをつけられるかもしれない。「最近はDNA検査が普及していて、血縁者を探すために自分のDNAを提出する人が大勢いる」と、アイストロープは言う。「それが役に立つかもしれない。人口8500人の田舎町でも、大きな街と同じような支援を受ける資格はある」

探知犬による捜索は、長年の主張をようやく信じてもらえたという意味で、ステュディーにとっても一定の心の区切りになりそうだ。犬たちがあちこち嗅ぎ回るのを見つめながら、「私が45年前から言ってきたとおり」と、彼女はつぶやいた。

2つ上の姉は事実無根と主張

だが姉のスーザン・ステュディーは、父親に関する告発は事実無根だと思うと語っている。

探知犬は動物の骨と間違ったのではないかと、スーザンは言う。井戸には一家の飼い犬や、死産だったドナルドの妹の遺体が埋められているというのだ。しかし訓練士も保安官も、犬たちが嗅ぎつけたのは人間の遺体だと考えている。探知犬は、動物の骨と人間の骨を嗅ぎ分けるよう訓練されているからだ。

「ルーシーから遺体の話を聞いたのは、1年ほど前が初めてだ」と、スーザンは言う。「父はルーシーが言うような人ではなかった。厳格だったが子供たちを愛していた。厳格だからといって連続殺人犯になるわけではない。私はルーシーよりも2歳年上だから、父が連続殺人犯なら分かったはずだ。父はそんな人間ではなかった。父の名誉を取り戻したい」

ドナルドには娘がもう1人いたはずだが、本誌は連絡を取れなかった。息子もいたが、39歳のとき自殺している。ルーシー・ステュディーは嘘発見器の検査を受けてもいいと何度も申し出たと言い、FBIとフリーモント郡保安官事務所で正式な証言を残している。

一方、スーザンは自分の記憶にある限り、父親が暴力を振るったのは、飼い犬が隣人にひかれて、その隣人と争ったときだけだと言う。

誰の言い分が正しいか分かるのは、もう少し先になりそうだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国尹大統領に逮捕状発付、現職初 支持者らが裁判所

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 8
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 9
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 10
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中