父親は「連続殺人鬼」 誰も耳を貸さなかった子供の訴え...その驚愕の真相に迫る
FIELD OF NIGHTMARES?
ステュディーは高校時代にスクールカウンセラーから、これからの人生で何をするつもりかと聞かれたことを覚えている。生きて大人になれるなどと考えたこともなかった彼女は、思わず笑い出してしまったという。当時の彼女はできるだけ家にいないで済むように、近くのコンビニエンスストアで長時間アルバイトをしていた。最終的に、軍に入ることで家を出られたが、軍務は好きではなかったと言う。
ドナルドがステュディーに対して怒りを爆発させたことがある。1万6000ドルを超える彼の金を盗んだというのがその理由だ。盗難は事実で、フリーモント郡保安官事務所が出動したが、立件されることはなかった。「お金を取ったのは私。何もかも全部正直に話してきたから、この件についても嘘はつかない。あれが私の知る唯一の父を傷つける方法だった。当時住んでいたミネソタ州に戻ると、お金は全部寄付した」
今、父親のことをどう思っているかと尋ねると、ステュディーはこう答えた。「父に対しては何も感じない。全く何も感じない。父が生きている間は法の裁きを求めたけれど、死んでしまったし」
アイストロープによれば、ステュディーはあくまでも目撃者として扱われており、いかなる犯罪の容疑者にもなっていない。
捜査が動き出したのは昨年の初め
フリーモント郡保安官事務所には、10年ほど前にもステュディーから電話があったと、アイストロープは言う。保安官代理の1人が井戸を探しに行ったが、当時は見つけられなかった。捜査が動き出したきっかけは、昨年の初めにステュディーがかけてきた電話をマイク・ウェイク保安官代理が受けたことだった。
ウェイクは近くのアイオワ州テイバー周辺の出身で、地元の警察署長を務めた人物だ。テイバーではドナルドに関するよからぬ噂がいろいろと流れていたという。ドナルドは背が低くて、しょっちゅう酔っぱらっていて、しばしばケンカを起こす妙な男だった。
「昔から噂はよく聞いていたから、電話があった後、現場に行って見てみたんだ。(井戸が)あると思われる場所について彼女は話してくれたんだが、まさにその場所に井戸があった。本当に寸分たがわぬ場所に、だ。冗談抜きで。それに、彼女の話は全くぶれなかった」
ステュディー本人が井戸の場所を探し当てられるか確かめるために、ウェイクらは米南部に暮らす彼女を呼び寄せた。一家が住んでいた場所は、木の伐採やブルドーザーによる地ならしで景観が大きく変わっていたが、「彼女は迷わず歩いて行き、『この辺りのはず』と言った。そこを調べてみると(井戸が)あった」と、ウェイクは語る。