最新記事

環境問題

偽善だらけ? 「環境破壊」を暴かれたセレブが、過去に語った「意識高い」言葉たち

Climate Advocates Swift, Oprah, Spielberg Called Out for Private Jet Use

2022年8月2日(火)18時51分
ジョン・ジャクソン
テイラー・スウィフト

テイラー・スウィフト Eric Henderson-Reuters

<「皆さんも私たちと同じように......」。過度なプライベートジェットの利用で大気を汚染してきたとバレたセレブたちが、過去に語っていた「ご高説」>

イギリスのマーケティング会社「Yard」が7月29日、プライベートジェット使用による温室効果ガス排出の「犯罪人」と称するセレブリティをランキング形式で発表。ワースト10に入ったスターの中には、テイラー・スウィフト、オプラ・ウィンフリーやスティーブン・スピルバーグなど、環境保護を熱心に訴えていることで知られる面々も含まれていた。

■【動画】プライベートジェットの過剰利用──環境破壊セレブのトップ10ランキング

同ランキングで不名誉な1位を獲得したのは、歌手のテイラー・スウィフト。Yardによれば、スウィフトが所有するプライベートジェットは1月以降、170回のフライトを行い、上空で過ごした時間は2万2923分(15.9日)にのぼった。温室効果ガス排出の総量は8293.54トンに及び、報告書によればこれは「平均的な人の年間総排出量の1184.8倍にのぼる」という。

個人として著しく地球環境を汚染していることになるスウィフトだが、自身の歌詞の中では頻繁に自然に言及している。さらに、清潔な水へのアクセスや絶滅危惧種の野生動物の保護をはじめ、数多くの環境保護運動も支持してきた。2020年のバラエティー紙のインタビューでは、気候変動は世界を蝕んでいる「恐ろしい状況」の1つだとも語っていた。

セレブたちの『不都合な真実』

司会者のオプラ・ウィンフリーも、自分の番組で環境保護の活動家たちを紹介したり、自身のウェブサイト「OprahDaily.com」に自然や環境汚染との闘いについて文章を書いたりして、たびたび環境保護を支持する姿勢を示してきた。2019年には同ウェブサイトへの投稿の中で、アル・ゴア元副大統領が世界各地で環境問題を訴える様子を追跡したドキュメンタリー映画『不都合な真実』に影響を受けたことを綴っていた。

「私たちが今していること、していないことによって、地球上の生命の未来が決まるのだ」とウィンフリーは書き、環境保護を訴えていた。彼女は今回の不名誉なランキングで9位を獲得している。

ウィンフリーよりもひどい、ランキング6位を獲得したのは映画監督のスティーブン・スピルバーグだ。スピルバーグは2018年に映画のプロモーションのためのインタビューで、「温暖化の見通しに怯えている」と述べ、さらにこう語っていた。「温暖化は科学に基づく現実だ。政治的なたくらみではない。現実の、測定可能な、定量化が可能な真実なのだ」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

英仏・ウクライナの軍トップ、数日内に会合へ=英報道

ビジネス

米国株式市場=S&P500・ダウ反発、大幅安から切

ビジネス

米利下げ時期「物価動向次第」、関税の影響懸念=リッ

ワールド

再送-日鉄副会長、4月1日に米商務長官と面会=報道
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 9
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中