用心すべき? 恋人のパスワード、多くの人が5回以内の突破に自信...米調査
何回試せば恋人のパスワードを推測できるか尋ねると、平均は5回だった...... tsingha25-iStock
<パスワードで保護しても、安全とは限らない...>
本人が秘密にしていることほど、周囲の人々はなんとなく察していることがある。オンラインの活動を守る砦であるはずのパスワードも、意外とパートナーには筒抜けなのかもしれない。
米認証サービスのプルーブは、市場企業会社の米ワン・ポールと共同して行った調査結果として、「2022年パスワード&認証 消費者トレンド・リポート」を発表した。それによると人々は、平均で5回ほど試行すれば恋人のパスワード認証を突破できると考えているという。
調査は2000人のアメリカ人を対象に行われた。質問項目の一つとして、何回試せば大切な人(通常、配偶者または恋人を指す)のパスワードを推測できるか尋ねたところ、平均は5回だったという。
回答者は、実際にパスワード破りを実証したわけではない。しかし、5回という低い平均値から、多くの人々が恋人のパスワードについてある程度推測をつけていることが伺える。
米紙「パスワードを変えるべき時がきた」
仮に何のヒントもなく完全にランダムなパスワードを当てようとした場合、たとえばiPhoneのロックで一般的に使われている数字6桁のパスコードでは、10万通りが存在する。各種サイトのログインに使われる8桁のパスワードともなると、一例として大文字・小文字を区別する英数字8桁のものでは、あり得るパスワードの数は200兆通りを超える。
こうしたなか、多くの人々が5回以内での推測に自信を示したという調査結果は、恋人や配偶者のパスワードについてある程度あたりがついていることを物語っている。
調査結果を受けてニューヨーク・ポスト紙は、「ほとんどの人々が、パートナーのパスワードをたやすく破れると述べている」「今回の新しい調査結果を読んで、あなたのパスワードを変更すべき時がきたのかもしれない」と報じた。
米MSNは、プルーブ社のロジャー・デザイCEOのコメントを引用している。デザイ氏は、多くのサービスではパスワードを忘れると面倒な手続きが必要なしくみになっており、人々はこれを嫌って同じパスワードを使い回しがちになっていると説明している。
氏は、「インターネットはセキュリティを念頭として設計されませんでした」と述べ、パスワード忘れでオペレーターと20分も通話するようなしくみは「崩壊したモデルをダクトテープで補修しているようなものです」と指摘する。
なお、同社はパスワードや2段階認証を必要としない生体認証のプラットフォームを開発している。これをアピールするねらいも多分にあるだろう。
恋人のパス破りに自信をみせた回答者たちでさえ......
氏の解説には一定の自社PRも含まれていそうだが、とはいえパスワードの使い回しは、セキュリティ上の深刻なリスク要因だ。上記調査で恋人のパスワードを容易に破れると回答した人たちでさえ、自身のパスワード管理を問われると、かなりお粗末な状況を露呈している。