強引に泊まり込んで性的虐待...中国「ゼロ・ウイグル政策」は習近平の指示だった
The Decisive Evidence
このうち2点目として、「脱過激化」が挙げられている。「地下での説教やコーランの学習を断固取り締まる」などで、過激化の「源泉をよく管理した」というのだ。「宗教的過激主義イデオロギーの継承システムを断絶した」とも述べられている。
また、第3のよくできた点として趙は「大衆工作がうまくいった」と指摘する。「『各民族の家族のような団結』と、民族の団結・友情活動を常態化させ、幹部を草の根レベルで送り込み、あらゆる村に足を運ばせた。幹部が訪れたのは全世帯におよび、人心を最大限に結束させた」という。
これは、漢人の「親戚」を何週間も、場合によっては何カ月も自宅に住まわせてやらなければならなかったという、複数のウイグル人の証言を裏付ける内容だ。もちろん招かれざる客は親戚などではないし、同居を断るという選択肢もなかった。そんなことをすれば逮捕され、収容所に送られる恐れがあるのだから。
漢人の「客人」による性的虐待
ウイグル人らの話によると、「客人」はある日突然やって来て、いつ出て行くとも分からず居座る(中国当局は、彼らはウイグル人に「招かれた」のだと主張する)。この客人は、子供を含め恐怖に怯える家族の外出を尾行したり、あれこれ尋問したりする。
多くの場合、この招かれざる客は男性で、ウイグル人女性に性的虐待を働いたことが報告されている。なにしろウイグル人家族は、雨風をしのぐ場所を提供するだけでなく、ベッドまでも客人と共有することを命じられたのだ。
このように収容所送りの恐怖をちらつかせて、言語道断のプライバシーの侵害を働いていたことを考えると、一連の措置が「人心を最大限に結束させた」という高い評価は、いかに趙も、党指導部も、ウイグル弾圧政策の本当の影響を理解できていないかを露呈している。
これまでに分かっている資料や情報を総合すると、中国政府が新疆ウイグル自治区で「ゼロ・ウイグル政策」を取ってきたことは明らかだ。それは、新型コロナウイルス感染症の流行に対して中国政府が執拗に取り続けるゼロコロナ政策と多くの共通点がある。
新型コロナも、ウイグル人のアイデンティティーや文化も、共産党から見れば有害なウイルスが引き起こす病気にほかならない。だから何があっても、ウイグル人の精神や性向、気質、民族性、宗教観を根絶しようとする。中途半端でやめること、ましてや妥協策などあり得ない。彼らが言うところの危険なウイルスに、存続の余地を与えてはならないのだ。