最新記事

ウクライナ情勢

ウクライナ兵がロシア人捕虜を虐殺すれば邪悪のスパイラルになる

Ukrainians Killing Russian POWs Risks Spiral of 'Depravity'—Expert

2022年4月12日(火)17時24分
ジャック・ダットン

「歴史を見ると、ナポレオン戦争から南北戦争、ノルマンディー上陸からバルジの戦いに至るまで、片方が戦時の規範に違反する行動に出た瞬間、必然的に敵も同じような行動に出ることが示されている」と彼は述べる。

「容認される行動ではない。だが自分に向けて機関銃を発砲してくる男を撃つことと、まだ機関銃の銃身が熱いうちに降伏してきた男を処刑することの違いは、法律的には微妙だ」

ウクライナの兵士たちが捕虜のロシア兵を虐待する様子を撮影したとみられる動画は3月にもあった。ウクライナのオレクシー・アレストビッチ大統領補佐官は、動画の中の行為を非難し、ウクライナ軍として動画の信ぴょう性を確認し、また当時の状況について調査を行うと述べていた。

「捕虜の虐待は戦争犯罪」と正しい認識

アレストビッチは動画について、「我々はヨーロッパの軍隊であり、捕虜をなぶりものにすることはない。もしもこの動画が本物であれば、断じて受け入れられない行為だ」と述べた。「ウクライナの全ての軍、文民部隊や防衛部隊に改めて言っておきたい。捕虜の虐待は戦争犯罪であり、軍法の下で恩赦されることはないし、時効もない」

このように動画を非難したアレストビッチの姿勢を、キャディック・アダムズは「正しい」と言う。「戦争犯罪にあたるかどうかに関係なく、あのような行為は受け入れられるものではなく、どんな国際法上の手続きも、彼が言う通り敵味方に平等に適用されるべきだ」

20241126issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

COP29、会期延長 途上国支援案で合意できず

ビジネス

米債務持続性、金融安定への最大リスク インフレ懸念

ビジネス

米国株式市場=続伸、堅調な経済指標受け ギャップが

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、米景気好調で ビットコイン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでいない」の証言...「不都合な真実」見てしまった軍人の運命
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 6
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 7
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 8
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 9
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 10
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 9
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 10
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中