その不安、実は「仮性不安」かも...まず疑うべきは脳ではなく「血糖値の変動」
It’s Not All in Your Head
強い炎症が体内のあちこちで生じると、疲労、痛み、思考力や集中力の低下、倦怠感といった不調を感じ、不安感も高まる。サイトカインは、恐怖を感じるプロセスで大きな役割を果たす脳の部位である扁桃体に直接作用することも明らかになっている。
要するに、食事と生活習慣は私たちの腸と免疫系の状態に大きな影響を及ぼすことにより、メンタルヘルスを大きく左右する。遺伝的要因と思考の内容が人の精神状態に影響することは確かだが、日々の行動習慣も不安感に強く関係しているのである。
■結論
不安などのメンタルヘルス上の症状に関しては、遺伝的な要因の影響が大きくて、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れていることが原因だと思われがちだ。しかし、最先端の科学的研究によれば、不安の多くは身体的な要因により生み出されていて、完全に避けられるものだと分かってきているのである。
これは歓迎すべきことだ。それに、避けられる不安を避けることができれば、私たちは最も重要な問題にエネルギーを集中させることが可能になる。仮性不安を避けられて初めて、もっと深い原因による真性不安に集中的に対処できる。
真性不安は、仮性不安に比べて解消するのが難しい。それでも、真性不安は重要なことを教えてくれる。どの点で自分の人生の目的を達成できていないかを確認する手掛かりになるのだ。
こうした真の不安と向き合うことにより、取るべき行動が見えてくる。自分なりの方法で世界に貢献するために、時間とエネルギーを活用できるようになるのだ。
From the anatomy of anxiety. Copyright ©2022 by Ellen Vora. Published by Harper Wave.
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら