米共和党、中間選挙に向け「内戦」激化 ウクライナ侵攻めぐる言動が発火点
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米議会内部を移動する、マージョリー・テーラー・グリーン氏ら共和党議員"
ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、米共和党の「内戦」が激しさを増している。写真は1月、米議会内部を移動する、マージョリー・テーラー・グリーン氏ら共和党会員議院ら(2022年 ロイター/Elizabeth Frantz)
ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、米共和党の「内戦」が激しさを増している。11月の議会中間選挙への出馬を狙う予備選候補者らが、相手候補が過去にロシアのプーチン大統領を賞賛したことなどを巡って殴り合いを演じているのだ。
少なくとも3州で、上下両院の共和党予備選候補が守勢に立たされている。プーチン氏は「知的」、ウクライナのゼレンスキー大統領は「悪党」といった表現や、ウクライナは守るに値しないとの発言が注目され、米国民がウクライナとその大統領を強く支持する中で批判を浴びているからだ。
ノースカロライナ州で5月17日の共和党予備選に臨むパット・マクロリー氏は最初のテレビCMで、トランプ前大統領の支持を受けたライバル候補、テッド・バッド下院議員を叩いた。
CMでマクロリー氏は「ウクライナ国民が血を流し、命を失っている今(中略)、バッド議員はこの人々の殺害者を擁護している」と語りかける。合間に差し挟まれるのは、バッド氏がテレビのインタビューで、プーチン氏は「非常に知的な役者」であり侵攻には「戦略上の理由」がある、などと話す動画だ。
CMはまた、バッド氏がプーチン氏のことを「邪悪」と表現したのとは裏腹に、議会でロシアに「友好的な」票を投じたと批判している。
バッド氏の選挙陣営は「テッド・バッド氏は海外の危機に対して米上院議員らしい、ある種の冷静な分析を示したまでだ。今は相手候補を叩く空虚なキャッチフレーズではなく、強さと内実が必要とされる深刻な時局であることを理解しているからだ」との声明を出し、マクロリー氏のCMを一蹴した。
2月24日にロシアがウクライナに侵攻するまで、一部の共和党議員は安心してトランプ氏と歩調を合わせ、プーチン氏を強い指導者だと賞賛する一方で米政府の対ロ政策を非難していた。
侵攻後でさえ、トランプ氏支持派のマージョリー・テーラー・グリーン、ポール・ゴーサー両下院議員は、侵攻に喝采を送りプーチン氏の名前を連呼する白人愛国主義者の会合に参加した。