米共和党、中間選挙に向け「内戦」激化 ウクライナ侵攻めぐる言動が発火点
プーチン氏とウクライナを巡る内部闘争は、以前からあった共和党内の亀裂をさらに深めている。共和党は、2020年の大統領選で大規模な不正が行われたというトランプ氏の虚偽の主張や、翌年1月のトランプ氏支持者らによる連邦議会議事堂襲撃に対する下院調査を巡って分断している。
トランプ氏は今年2月22日のインタビューで、プーチン氏のウクライナに対する行動は「天才的」で、「とても抜け目がない」などと述べて批判を浴びた。
ウクライナ批判を攻撃
ノースカロライナ州ではまた、マディソン・コーソーン下院議員が地元の公会堂でゼレンスキー大統領とウクライナを批判したとして、同じ共和党のライバルらから攻撃を浴びている。
同州ローリーのWRAL―TVで放送された動画でコーソーン氏は「ゼレンスキーが悪党なのを忘れるな。ウクライナ政府は信じられないほど腐っており、信じられないほど邪悪で、意識高い系のイデオロギーを押しつけてきたことを忘れるな」と話している。
共和党予備選で同氏に挑むミシェル・ウッドハウス氏は「議会の一員がウクライナの大統領を悪党と呼ぶなど不可解だ!」とツイートした。
ロイターはコーソーン氏の事務所にコメントを求めたが、回答はなかった。
ユタ州では、元米中央情報局(CIA)高官で無党派の上院議員候補、エバン・マクマリン氏が共和党上院議員のマイク・リー氏を攻撃。広告の中で、同議員が対ロシア制裁に反対してモスクワを訪問することによって、ウクライナ危機の渦中に「わが国を弱く、危険にした」と批判している。
もっとも、ファクトチェックを行うサイト、ポリティファクトによると、広告はウクライナ侵攻の何年も前のリー氏の行動を取り上げているか、事実を誤認している。ポリティファクトはこの広告を「ほとんど虚偽」だと判断した。
ロイターはリー氏の事務所にコメントを求めたが、回答はなかった。マクマリン氏の選挙陣営は、広告には責任を持っており、リー氏はプーチン氏を甘やかす言動を繰り返してきたと主張した。
(David Morgan記者)
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