トランプ独自SNS「トゥルース・ソーシャル」、結局は大手のアプリストア頼み
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サービス開始予定まで、残り数週間。ここに来てドナルド・トランプ前米大統領(写真)の新規メディア事業は、自社アプリの微妙なバランスを保つ道を探っている。1月29日、テキサス州で撮影(2022年 ロイター/Go Nakamura)
サービス開始予定まで、残り数週間。ここに来てドナルド・トランプ前米大統領の新規メディア事業は、自社アプリの微妙なバランスを保つ道を探っている。アップルとグーグルが提供するアプリストアの規定に抵触しないようにしつつ、トランプ氏の支持層に「表現の自由」を与えるという難題だ。
トランプ氏がフェイスブックやツイッター、ユーチューブから排除されて1年、同氏独自のソーシャルメディア「トゥルース(真実)・ソーシャル」が登場する。トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)をはじめ、言論の自由を旗印に掲げるテクノロジー企業は、保守派曰く「自由な表現を抑圧してきた」シリコンバレーの門番たちに匹敵するほど規模を拡大できるのか、このアプリが重要な試金石になる。
TMTGは「トゥルース・ソーシャル」を通じて「魅力的で、検閲とは無縁の体験」を提供することを約束。ワクチン接種や2020年の大統領選挙の結果など、今日の米国におけるホットな争点に対する自分たちの意見が、主流のソーシャルメディアから排除されていると感じる層にアピールしようとしている。
とはいえ、トランプ陣営のテクノロジー担当チームは「トゥルース・ソーシャル」がアップルやアルファベット傘下のグーグルが運営するアプリストアから排除されないよう、予防線を張っておく必要がある。トランプ氏の支持者が多く利用していたが、2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件の後にアプリストアから削除された米新興SNS(交流サイト)「パーラー」の前例もある。こういったストアがなければ、大半のスマホユーザーが簡単に同アプリをダウンロードできなくなってしまう。
事情に通じた2人の人物によれば、こうした「プラットフォームからの排除」リスクは、かつて連邦下院議員(共和党)を務めたこともあるTMTGのデビン・ヌネス最高経営責任者(CEO)にとって、アプリ開発における最重要課題だという。「トゥルース・ソーシャル」が公開初日からハッカーの標的になるという認識に基づき、ヌネス氏は「国家レベル」のサイバー関連人材を欲しがっている、と1人は言う。ヌネス氏は、TMTGとしては3月末までに「トゥルース・ソーシャル」を立ち上げることが目標だと公言している。
TMTGの広報担当者にコメントを求めたが、回答は得られなかった。