選管担当者への恐喝、「言論の自由」が壁に トランプ派の脅迫に法改正で対応へ
KKKでも言論の自由を保証
バーモント州議会では数年前、犯罪的脅迫の訴追を容易にする州法改正が試みられたが、言論の自由を侵害する可能性があるという懸念により廃案となった。だがこの州も他の州と同様に、暴力的な反政府感情、白人ナショナリズム、政治的過激主義に対処する中で、言論の自由という伝統をめぐる緊張が生じている。
バーモント州最高裁判所は2018年、2件の平穏妨害事件について、クー・クラックス・クラン(KKK)構成員を逆転無罪とした。被告は、KKK支持のビラを2人の女性(黒人とヒスパニック系)の車に貼り付けていた。同州最高裁は、ビラはバーモント州法下において保護される言論であると判示した。
さらに昨年、バーモント州ベニントン町は、黒人であるキアー・モリス州議会議員が自称白人ナショナリストから受けた人種差別的ハラスメントに警察が十分に対応しなかったことを謝罪し、13万7500ドル(約1575万円)を支払った。同議員は2018年、議員を辞職している。
これまでのところ、犯罪的な脅迫行為に関する立法措置への世論の反対は目立たない。だが提案者側では、公聴会が始まれば状況が変わると予想している。米国自由人権協会バーモント州支部は「法案を注視している」と述べたものの、まだ賛否を明らかにしていない。
州議会法務委員会の委員長を務めるバーモント州のリチャード・シアーズ州上院議員(民主党)は、法案に関する公聴会を今月開催しようと計画している。法案のうち一つの提案者である同氏は、法案が可決されても、脅迫者が必ず収監される保証はないと語る。
「しかし、こうした改正を行わなければ、何かが変化する可能性もないと分かっている」
(翻訳:エァクレーレン)
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