子供へのワクチン計画が進行中だが、30%もの親が「様子見」と判断
MANY PARENTS SHUN VACCINE
デイトン小児科病院(オハイオ州)の感染症部門主任マイケル・クラットによれば、ここ数カ月に診てきた子供は、12歳以上の子も含めて、みんなワクチン未接種だった。「入院した子に幾晩も眠らずに付き添って取り乱している親たちを見ると、本当に大変だ」と話し、「5歳から11歳までの子供へのワクチン接種が許可されたら、すぐにうちの下の娘にも受けさせる」と続けた。
だが、子供の感染者が急増しているにもかかわらず、多くの親は、ワクチンの副反応を恐れるか、ワクチンの開発から認可までの期間があまりに短くて安全性が確認されていないと懸念し、わが子へのワクチン接種には消極的だ。
スタンフォード大学病院で5~11歳児対象の治験を進めているイボンヌ・マルドナードは、新型コロナワクチンの開発と治験が迅速に進められた一因は、治験に必要な資金が潤沢にあったことだと指摘する。
また「新型コロナワクチンの治験は、ほかのワクチンと同じ安全な手順に沿って行われている」と彼女は言い、「おそらく歴史上のどのワクチンよりも厳密な精査を経て完成したワクチンだ」と語った。
副反応は稀で多くが治療可能
アメリカ小児科学会の会長を務める小児科医リー・サビオ・ビアースは、これまでに新型コロナワクチンを投与された1000万人超の青年期の若者の大半について、副反応は軽いものだったと述べた。多くの場合、最も重い副反応でも微熱や軽い風邪のような症状で、しかも症状はすぐに改善されたという。
成人の場合でも、危険な合併症が起きるのは極めてまれなケースだ。CDCによれば、アメリカでは20年12月14日~21年9月27日の間に累計3億9000万回を超えるワクチン接種が実施されたが、接種後に死亡した人は8164人(全体の0.0021%)。その大半は、より詳しく調べた結果、ワクチン接種が原因ではなく、偶発的な死と判断されている。
注目すべき例外は、アメリカではジョンソン・エンド・ジョンソン製のワクチン接種後に、血小板減少を伴う血栓症が(約1500万回の投与のうち)47例確認されたことだ。この合併症と一部の死には「妥当な因果関係」が認められるとCDCは述べている。
そのほかの合併症は、確かに恐ろしいが治療は可能だ。
アメリカではワクチン接種を受けた100万人につき約2~5人が、アナフィラキシーとして知られる重篤なアレルギー反応を起こしたが、多くの場合は迅速に治療が行われている。またジョンソン・エンド・ジョンソン製ワクチンの接種を受けた一部の人には、筋力の低下や麻痺を引き起こすギラン・バレー症候群が見られた。恒久的な神経障害が残る例も一部にあるが、これも多くの場合は完治する。