子供へのワクチン計画が進行中だが、30%もの親が「様子見」と判断
MANY PARENTS SHUN VACCINE
ファイザー/ビオンテックまたはモデルナ製ワクチンの接種を受けた若者については、30歳未満の男性が心筋炎または心膜炎を発症した例が複数報告されている。だがビアースは、これらは「並外れてまれ」な例(100万件当たり12~13例程度)であり、多くは「極めて軽度」だと説明する。
子供の場合は、ワクチンの副反応よりも、新型コロナ感染症による心筋炎で入院する可能性がずっと高いとビアースは指摘。しかもその場合は症状が「はるかに重くなりがち」で、入院期間も長期に及ぶ可能性が高いという。
「それらのリスクや利点全てを比較すると、新型コロナ感染のリスクはワクチン副反応の潜在的リスクをはるかに上回る」とビアースは考える。「FDAでもCDCでも、多くの専門家がデータを慎重に検証してきた。その結果、使用が承認されている全ての年齢グループについて、新型コロナワクチンは安全かつ効果的だと強く確信している」
ギャラップ社による最新の世論調査によれば、9月上旬の時点でアメリカの成人の75%が少なくとも1回のワクチン接種を受けている。だが支持政党によって接種率には大きな差があり、民主党支持者は92%が接種を受けたと回答したのに対して、共和党支持者はわずか56%(無党派は68%)だった。
ドナルド・トランプ前大統領の時代に、新型コロナは政争の具となった。民主党はトランプが公衆衛生上の脅威を軽んじていると非難し、トランプは民主党が脅威を誇張していると非難した(多くの場合、トランプの言い分は感染症の専門家の勧告と矛盾していたのだが)。
専門家がリスクを正直に話していない?
今もFOXニュースの人気司会者たちは、ゴールデンタイムに放送される番組の中で、専門家の提言に繰り返し異論を唱えている。彼らは、専門家たちがワクチンのリスクについて正直に話していないと示唆し、接種率を向上させるためのバイデン政権の取り組みは個人の自由の侵害であり、税金の無駄遣いだと息巻いている。
いずれにせよ、根っからの反ワクチン派が一定数いることは間違いない。彼らは絶対に接種を受けず、自分の子にも受けさせない。そうした人たちに対し、公衆衛生当局が使える最後の手段が「義務化」だ。
9月に新学年が始まって学校が再開されるまでには、少なくとも児童の過半数がワクチン接種を済ませているだろうと、公衆衛生当局は期待していた。しかし米公衆衛生学会のジョージズ・ベンジャミン事務局長によれば、秋になれば多くの州議会で新たな会期が始まり、ワクチン接種の義務化をめぐる議論がヒートアップするのは確実だ。