「数字並べただけで戦略なし」 COP26でのブラジル気候変動目標に厳しい見方
グリーンピース・ロシアに参加する環境問題専門家ミハイル・クレンドリン氏は、ロシアは森林火災の消火、火災予防、さらには火災監視能力にもっと投資することが必要だと話す。
「ロシアにおいて最も重要なのは、原野火災の面積を大幅に減らすことだ。ここ数年、その面積は着実に増加しているからだ」とクレンドリン氏は語る。
ブラジルでは昨年、アマゾン川流域からレバノン1国に相当する面積の森林が消失した。2021年の森林消失面積は前年比では微減となるものの、依然として、2008年以来の規模であることに変わりない。
ボルソナロ政権下で、伐採業者や牧場主たちは大胆になっている。ボルソナロ大統領がこれらの業界を公然と支持し、環境規制、あるいはアマゾンの広大な領域を破壊から守っている先住民保護区域に批判的であることが、彼らを勇気づけている。
先住民のタウレパン族出身で、ブラジル・アマゾン先住民女性連合のコーディネーターを務めるテルマ・タウレパン氏は、ブラジル政府の声明や国際社会全体にわたる協定が森林破壊を食い止め、温室効果ガスの排出量を削減できるとはほとんど信じていないと語る。
COP26に参加したタウレパン氏は、グラスゴーで「各国政府は嘘をついている。排出量を削減すると言う一方で、大豆増産やアグリビジネスに補助金を出し、鉱物資源の採掘を助成しつつ、先住民の意見に耳を傾けないのだから」と語る。
アマゾンを研究する著名な気象学者の1人カルロス・ノーブル氏にとって、ボルソナロ大統領はとうてい信用しがたい。
「大統領がこれまでの政治的立場を変えたと信じるべき理由はない」と同氏は話した。
(Stephen Eisenhammer記者、Jake Spring記者、翻訳:エァクレーレン)
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