日本のコロナ感染者急減、ワクチン集中接種で「集団免疫」効果も?
Japan's Rapid COVID Vaccine Campaign Partially Credited With Lowering Cases
10月上旬に退任した菅義偉前総理大臣は、ワクチン接種を加速させるために、注射を打てる職種(これまでは医師と看護師に限られていた)を歯科医などにも拡大。大規模接種センターを開設し、6月後半からは職場でのワクチン接種を促進した。
京都大学の西浦博教授は、10月13日に開かれた厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」の会合で、ワクチン接種に関する試算を提出。3月から9月にかけて、ワクチン接種により約65万人の感染が回避され、7200人以上の命が救われたと推定した。
多くの専門家が当初、感染拡大の原因について、バーが閉まっているなか若者たちが路上や公園で酒を飲んでいるからだと指摘していたが、データでは、数多くの40代や50代の中高年も、頻繁に歓楽街を訪れていることが示された。重症化した人や死亡した人の大半は、50代やもっと若い世代で、ワクチン接種を受けていない人々だった。
国立感染症研究所の脇田隆字所長は先日、記者団に対して、緊急事態宣言の解除後、既に歓楽街でどんちゃん騒ぎを再開している人々がいることを懸念していると述べ、感染者数の減少については、既に下げ止まりの状態になっている可能性があると指摘。「今後の感染再拡大を防ぐには、もう一段感染者を落とすことが必要だ」と語った。
公衆衛生の専門家らは、感染者数が急減した理由について、包括的な検証が必要だと述べている。
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