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アメリカの子供たちの大定番「お手軽ランチ」がコロナで大ピンチ!

Luncheables Wanted!

2021年10月15日(金)20時36分
エレノア・リース
ランチャブル

パック済みランチは忙しい親の強い味方だがコロナの余波で品薄に MICHAEL S. WILLIAMSONーTHE WASHINGTON POST/GETTY IMAGES

<サプライチェーンに問題続出で、手軽で便利な学校ランチとして愛される定番商品「ランチャブル」が品薄危機に>

チーズやクラッカーやキャンディー、ミニサイズのピザやホットドッグなどを1つにパックした「ランチャブル」。手軽で便利なので、アメリカでは親が学校に行く子供に持たせる「お手軽ランチ」の定番だ。ところが、学校が再開して、こうした人気商品が品不足に陥っている。

近所の食料品店を探し回っても、ランチャブルが置いてあるはずの棚は空っぽ。SNSにはその画像や親たちの嘆きの声が。「3店はしごして、どこにもなかった」「いつ行っても全然ない」

製造元のクラフト・ハインツによれば、ランチャブルの需要は過去最大に達し、売り上げは5年ぶりに2桁増加。「今年第2四半期に当社ブランドの商品を購入した世帯の数は、2019年比で200万近く増えた」という。「ランチャブルをはじめ、当社ブランドの多くで需要は過去最大だ。今どきの親子の期待に沿うマーケティングとブランド刷新を目指して先手を打ち、投資したことが効いている」

8月22日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば、一部の食料品店では昨年春並みに多くの商品が不足。当時は新型コロナウイルスのパンデミックへの不安から、トイレットペーパーや缶詰の買いだめが起きた。一方、今回のネックはサプライチェーンで、アルミや樹脂など包装用の材料の不足と人手不足が響いた。

記事の中でルイジアナ州を拠点とするスーパーマーケットチェーン、ラウジズマーケットのドニー・ラウスCEOは、多くの日用品が不足し、発注に対する納品率はコロナ禍前の90%超に対し、今では最悪40%のこともあるという。

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MEMORIESARECAPTURED/ISTOCK

貨物船をチャーターすると発表

品切れリスクを軽減しようと小売り大手は大掛かりな対策に乗り出している。ウォルマートは需要に対応するため独自に貨物船をチャーターすると発表した。

NBCニュースによると、「総合小売部門の一部では好調な販売と供給逼迫により、平時を上回る品切れが続いている」と同社ブレット・ビッグスCFO(最高財務責任者)は8月中旬の決算発表で説明。「発注から納品までのリードタイムを延ばし、貨物船をチャーターするなど、引き続き品不足解消に努める」

NBCニュースは、チャーター費用は1日4万ドル近くに上る可能性もあるとのロサンゼルス港湾局の見方も報じた。

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