タリバンの本質は20年前のまま、国際社会に受け入れられる努力は実るか
The Two Talibans
ハビブは筆者にウルドゥー語で言った。「女子が学校に行くのは許される。望むなら大学まで行ってもいい。医者にもなれる。女性には女性の医者が必要だからね。でもジャーナリストや弁護士は難しいんじゃないか」
頭と首を覆うヒジャブを着て、ちゃんと髪の毛を隠していれば、全身を覆うブルカの着用までは強制されないだろう、とも語った。
勧善懲悪省が復活する
ただし「子供の勉強を妨げ、大人の時間を無駄にする」ようなテレビの娯楽番組は禁じられ、許されるのは「良い音楽」くらいだろう。いずれにせよ、20年前にあったイスラム法を遵守させる「勧善懲悪省」が復活し、その厳格な監視下に置かれる見通しだとハビブは言う。
また、南部でタリバン兵による処刑行為があったことを彼は認めたが、殺されたのは「泥棒」だけだと主張。民家の捜索も「武器を隠していたり、車両などの国有財産を私物化」していた家に限られると弁明した。
ジャーナリストでタリバンに詳しいアハメド・ラシッドはタリバンは既存の経済制度を維持する(そうしないと国の財産を使えない)だろうが、人権は無視するだろうと述べた。「彼らは民主主義を信じない。指導者の選び方も予測し難い」。不透明な点が多過ぎると言い、こう続けた。
「国際社会に受け入れられ、認知されるための努力は必死でするだろう。だが女性の権利についての話は単なるリップサービスだ。刑務所から解放された戦闘員や米軍グアンタナモ基地からの帰還組は、西洋に対して悪い思いしか持っていない。だから強硬路線に走るだろう。戦闘の主役だった若い世代は、当然のことながら報復もしたい。リベラリズムだのモダニズムだのに、擦り寄るとは思えない」
ロシアや中国、そしてタリバン発祥の地のパキスタンは、既に彼らの政権を承認する構えだ。しかし欧米諸国は認めないだろう。タリバンが過去の残虐行為やテロ支援を反省しない限り、彼らがいくら「解放者」を気取っても受け入れ難い。
タリバンは再び、国を統治する機会を手に入れた。20年待ったとはいえ、最後はいとも簡単だった。果たして彼らは、今度こそ本当に統治できるだろうか。外国にいる私たちは状況の推移を見守るしかない。その間もアフガニスタン国内では多くの人が息を潜めて、安心して外を歩ける日が来るのを待っている。
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