最新記事
宇宙

無重力でシンクロ? 国際宇宙ステーションで行われた「もう一つのオリンピック」

2021年8月16日(月)20時20分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
第65次長期滞在クルーたち

ユーモアと結束力で「宇宙オリンピック」を成功させた7人のクルー NASA-YouTube

<地球上空400キロで行われた史上初の「宇宙オリンピック」──7人の宇宙飛行士たちによる祭典は大成功に終わった>

地球から400キロ離れた国際宇宙ステーション(ISS)では、7人の宇宙飛行士によって史上初の「宇宙オリンピック」が開催された。無重力状態で彼らが競技に臨む映像を欧州宇宙機関(ESA)が公開している。

東京五輪2020に触発された長期滞在クルーたちは、ISSに到着した宇宙船によって「チーム・ドラゴン」と「チーム・ソユーズ」に分かれた。

チーム・ドラゴンのメンバーは、NASAのメーガン・マッカーサーとシェーン・キンブロー、ESAのトマ・ペスケ、JAXAの星出彰彦。対するチーム・ソユーズは、ロシアの宇宙機関ロスコスモスのピョートル・ドゥブロフとオレッグ・ノヴィツキー、そしてNASAのマーク・ヴァンデハイだ。

行われたのは、ノーハンドボール、シンクロ、射撃、体操床なしの4つの競技。

息だけを使って相手側のハッチにピンポン球を通すノーハンドボールでは、途中でルール変更があり、肘と膝から上は使用可となった。試合はチーム・ソユーズが勝利した。

「ペナルティ、ルール変更、友情、そしてメーガンの解説によって、宇宙オリンピック最初の種目は大成功に終わった」とESAは振り返る。

その他にもシンクロで両チームとも息の合った演技を披露するなど、勝敗に関係なく無邪気に楽しむ宇宙飛行士たちの姿が映像に納まっている。

ペスケ氏はESAに対し、次のように語った。

「天井に吊るされた世界各国の国旗が、私たちの運動能力の高さ(あるいは低さ)に刺激と彩りを与える背景になっていた」

またISSの中でも独自の閉会式が行われ、日本人の星出氏がフランス人のペスケ氏へとオリンピック旗を手渡す場面も。

2024年には、第2回宇宙オリンピックの開催も期待できるかもしれない。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ米政権、相互関税を前に貿易障壁報告書を公表

ワールド

豪中銀、政策金利据え置き 米関税の影響懸念

ワールド

米大使館、取引先にDEI禁止順守を指示 スペインな

ワールド

トランプ米政権、ハーバード大への助成・契約90億ド
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 5
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 8
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 9
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中