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トランプ米政権、ハーバード大への助成・契約90億ドルを見直し

2025年04月01日(火)13時47分

 3月31日、トランプ米政権は、米ハーバード大では反ユダヤ主義がはびこっているとし、これを取り締まる一環として同大への総額90億ドルの政府契約と助成金を見直していると発表した。写真はマサチューセッツ州のハーバード・ヤード。2015年1月撮影(2025年 ロイター/Brian Snyder)

[31日 ロイター] - トランプ米政権は31日、米ハーバード大では反ユダヤ主義がはびこっているとし、これを取り締まる一環として同大への総額90億ドルの政府契約と助成金を見直していると発表した。

教育省と保健福祉省、一般調達局(GSA)が連名で出した声明によると、ハーバード大と関連団体が政府と交わした2億5560万ドルの契約と、複数年度にわたる総額87億ドルの助成金が見直しの対象となる。

ハーバード大はロイターからのコメント要請に直ちに応じなかった。同大はこれまでにあらゆる差別に反対しており、ユダヤ人とアラブ人に対する偏見に対処する特別チームを設置したとの声明を出していた。

米国では第2次トランプ政権が発足する前からユダヤ人を巡る表現や価値観などを巡って名門大を中心に各種対立が頻発している。イスラエル寄りを鮮明にしているトランプ政権は財政資金の支出権限を振りかざし、大学当局に対して学内外での対応や運営方針を改めるように迫っている。

トランプ政権はこれまでに、同じくアイビーリーグ(米東部の名門大学)のコロンビア大がイスラエルの軍事行動に抗議する運動の中心地だったことを問題視し、同大への4億ドルの政府資金支出を打ち切った。さらに移民・税関捜査局(ICE)はコロンビア大に通う一部の外国人留学生活動家を拘束し、強制送還の手続きに入った。

トランスジェンダー対応についてもトランプ政権は厳しい姿勢で臨んでいる。ペンシルベニア大はスポーツ関連の運営指針に問題があるとして、同大向けの1億7500万ドルの支出を3月に停止した。

ロイター
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