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感染第5波東京の新規コロナ感染4989人で過去2番目の多さ 専門家「制御不能」と警鐘
東京都は、新型コロナウイルスのモニタリング会議を開き、最近の感染状況に関して専門家は「かつてないほどの速度で感染拡大が進み、新規陽性者数が急増しており、制御不能な状況」と指摘した。写真は都内で5月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
東京都で12日、新たに4989人の新型コロナウイルス感染が確認された。これまでの最多は5日の5042人で、それに次ぐ多さ。NHKによると、全国の感染者は1万8822人となり、過去最多を更新した。
東京都の重症者数は前日より21人増え218人と過去最多となった。都が同日開いたモニタリング会議では専門家から「かつてないほどの速度で感染拡大が進み、新規陽性者数が急増しており、制御不能な状況」と警戒する声が出た。
モニタリング会議では、重症患者が急増していることで医療提供態勢についても「現状の感染状況が継続するだけでも、維持が困難になる。深刻な機能不全に陥っている医療提供態勢がさらに圧迫され、救うべき命が守れなくなる」との説明があった。
東京の人流、5割削減が必要に
東京都の小池百合子知事は、デルタ株に関し「大変手ごわい。これまで以上に危機感を持って感染防止対策を徹底していくことが必要だ」と強調し、人流や外出の一段の抑制、出勤者の削減などをあらためて求めた。人流の削減では、緊急事態宣言開始(7月12日)直前の約5割削減が必要だとしている。
政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長も12日会見し、東京都の人流の約5割削減などを提言。尾身会長は医療体制について「このままでは救える命が救えなくなる」と警鐘を鳴らし、現状は自然災害に近い状態で「災害医療として考えないと、この難局を乗り越えられない」と述べた。
尾身会長は医療逼迫を解消するため、これまでコロナ対応に取り組んでこなかった医療機関に対し、国や自治体が協力を要請する必要があると指摘。また、一般診療を多少制限する必要があるとも述べた。
地方でも拡大、緊急事態宣言の要請相次ぐ
地方でも感染が急拡大しており、この日の大阪府の新規感染者数は1654人と前日に続き過去最多となった。共同通信などは福岡県でも初の1000人超、兵庫で728人など最多と報じている。
西村康稔経済再生担当相によると、茨城県から緊急事態宣言の要請があった。既に福岡県から要請を受けているほか、兵庫県・京都府も要請を視野に入れているといい、西村再生相は「必要あれば機動的に対応したい」と述べた。
(田中志保、竹本能文 編集:青山敦子、橋本浩)
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